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拾漆 ページ17

もうお察しとは思うが、先刻のピという音の正体、それは、先刻迄爆弾魔が持っていた爆弾の起動釦である

そしてそれが起動されてしまったということは

中島「あああああああああッ!??

爆弾!爆弾!


あと五秒!?」


そう、志賀や中島が嘘を云っていないとすれば"あと五秒"で"半径四十米は吹っ飛ぶ"のだ

中島は、ばっと後ろを振り返った

後方の探偵社員達は、突然のことに反応が遅れている

中島(爆発!?部屋が、ふ、吹き飛ぶっ!?爆風を抑え……何か爆弾に被せないとっ!)

そう考えた瞬間、中島はある行動に出た

太宰「なっ」

中島は、未だ止まる気配のない爆弾に覆い被さっていた

要するに自らの体を使って爆風を抑えようとしたのだ

その時既に、爆弾のタイマーは、2秒前を示していた

中島(あれ?……僕、何やってんだ?)

太宰「莫迦!」


ピッ

太宰の叫びも空しく爆弾のタイマーは"0"を示した





――――――が、何時まで経っても少しの衝撃も無い

中島(………………?)

そのことを不思議に思った中島は、恐る恐る目を開けた

良く良く見ると、自分の目の前には幾つかの影が伸び、そしてその影の先には先刻迄自分と共に爆弾魔事件解決に当たっていた、太宰や国木田、志賀に加え、捕まった筈の爆弾魔本人迄もがいた

国木田「やれやれ……莫迦とは思っていたがこれほどとは」

太宰「自 殺愛好家の才能があるね、彼は」

志賀「入社もしていない一般人に頼るほど、探偵社がひ弱だとでも思ったんですか?」

中島「へ?…………え?」

全くと云って良い程に状況を理解していない中島に対し、各々が好き勝手に言葉をかけていく

挙げ句の果てには

少女「ああーん、兄様ぁ!大丈夫でしたかぁぁ!?」

爆弾魔「痛だっ!?」

人質と思われていた少女が爆弾に飛び付く始末だ

余談だが、この時爆弾の肋骨辺りから、ゴキという音が聞こえた

爆弾魔「いい、痛い、痛いよナオミ、折れる、折れる、っていうか折れたァ!」

中島「…………へ?」

未だに何一つとして状況を理解していない中島の耳に今度は、爆弾魔の「ギャー」という悲鳴迄聞こえて届く

…………混沌とは、正しくこのことを指すのであろう


国木田「小僧」

直後、国木田の無慈悲な声がし、続けて

国木田「恨むなら太宰を恨め。若しくは、仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」

と云い放った

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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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