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拾陸 ページ16

中島「虫けらだって生きている!」

爆弾魔「ええ……」

中島の熱弁に爆弾魔は引き、人質の少女は中島よりも爆弾魔の青年の方を心配する

中島「ね、だから、爆弾捨てて一緒に仕事探そう?」

この台詞を吐いた中島の目に、最早光はなかった…

このとき中島はとっくのとうに演技等辞めている。先程迄ならば、まだ「演技だ」と云って誤魔化すことも出来ただろうが、流石にここ迄来ると青年も恐怖を覚えたてようで

爆弾魔「え、いや、ボクは別にそういうのでは」

爆弾魔と云う己の役目すら忘れている始末だ

それに目敏く反応した太宰は、ハンドサインを国木田に出した。国木田も分かっていたようで、胸元から手帳を取り出し

国木田「手帳の頁を消費うから、ムダ撃ちは厭なんだがな……!

『独歩吟客』」

そう呟き、手帳に『鉄線銃(ワイヤーガン)』と書き込み、その一頁を破る

国木田「手帳の頁を鉄線銃に変える」

国木田が頁に念を込めると、不思議な光と共に、手元に正しく鉄線銃そのものが姿を見せた

そして素早く爆弾魔の持つ起動釦に照準を合わせ鉄線を放つ

爆弾魔「なっ……」

突然のことに反応が遅れた爆弾魔だが、時既に遅し

太宰「確保っ!」

号令の直後、爆弾魔の顔面に国木田の見事な回し蹴りが直撃していた。そして数秒後、中島が目を瞑っていた間には、爆弾魔は国木田に依って組伏されていた

物影に隠れていた二人も、もう隠れる必要が無いと判断し出てくる

太宰「一丁あがり〜」

志賀「お疲れ様でした、中島さん、国木田さん」

太宰と志賀の今朝と変わらぬ態度に、中島は少しふらつき乍も

中島(はあ、良かった……)

安堵していた


そのふらふらの中島の背後から、誰かの腕が伸びて来た。そして、中島の背をトンと押した
勿論、中島はこんなことが起きると予測していた訳も無く、呆気無く倒れ

中島「ぶッ!!」

情けない声を上げる。と同時に、中島の手から『ピッ』と、この時最も聞きたく無い音が、無惨にも聞こえてしまった
その音は、当然中島の耳にも入っていて、床に打ってしまった赤い顔を上げつつ「ピ?」と呟いているのが聞こえた

少し間があって、中島は漸く何が起きているのか理解したようで、唯一声

中島「あ」

と云った。そして側に居た三人もそれに気付き、同様に

太宰・国木田・志賀「あ」

と間抜けな声を上げた。

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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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