【歌い手】職場恋愛【短編集】 (ページ18)

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「すみません、そろそろ閉店時間なので…」
　

「あーはい、わかりました。」

「結局センラ君もつぶれたなー…」

「まーしぃ、センラの分出して。それかセンラの財布とって。」

「いやいや…センラ大丈夫ですから。」

　
結局あの後、俺以外の3人はまたお酒を飲み始めて
如月とセンラが潰れていた…あんだけ飲んでるのにけろりとしてるまーしぃ怖い。

　
「んじゃ、俺センラ君連れて会計して先外出とるから。うらたんはAよろしくな。」

「ん。」

　
俺の手から伝票と2人分の金額を取って、センラを引っ張りながらレジに向かうまーしぃ…
いや、あいつ手慣れてんな……とか思いながらも、俺はどうやって彼女を起こすか考えていた。
案の定、また酔いつぶれた彼女は突っ伏して寝てしまっている。

　
「おーい、如月。帰るぞ。」

「んぁ…？」

「もう店閉店だから、動ける？」

「な、なんとか……」

　
フラフラと立ち上がる彼女に腕を貸して立たせながら、荷物を持っていく。
そのまま、彼女を支えて、外に出た…のだが。

　
「……アイツら、どこ行った？」

「あれ…志麻さんたちは……？っていうか私お金出してないですよね…」

「それは俺が出したからいいよ。」

「いや、それはさすがに申し訳ないですー…」

　
とりあえずフラフラの状態の彼女を駅の傍のベンチに座らせ
まーしぃ達に連絡を取る。確か彼女とまーしぃは家が近かったはずなのに……
トークアプリでメッセージを送ってみたら、瞬時に返ってきた……あの野郎、確信犯か。

　
『センラ君死にかけてたから先帰ったわ！Aやばそうやったらホテルでも連れてけば？』

『おーとこなら、するーことはただーひとーつ』

「…アイツらぁ！！」
　

酔っ払いセンラは今度会ったときにしばき倒すしかねぇな。
とりあえず、こいつどうすっかな。

　
「如月、帰れそう？」

「いや…1人だと無理なんで…適当にネカフェかカラオケで……」

「大丈夫？」

「大丈夫です…うらたさん帰っても大丈夫ですよ？」

　
そう言いながらスマホで何かを調べだす彼女。
いや、ココは俺どうしたらいいの…？いや、さすがにこの状態をほっとけないし。
かと言ってホテルとかいろいろ失うだろうし。

　
「わかった、ネカフェいこ。さすがにほっとけないから俺も一緒にいる。」

「え、いやそれはさすがに迷惑じゃ……」

「如月が迷惑じゃないなら。俺は全然大丈夫。」

「…じゃあ、一緒にいてくれますか？」

「もちろん。」