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「んじゃ、お疲れさーん」

「お疲れ様です…!」

 
よく歌い手仲間と行く個室居酒屋に彼女を連れてきた。
飲める?に対して即答してきたあたりお酒が好きなのかとか思っていたが…
最初からハイボールを頼んでくるあたりうん、強そうやな!

 
「Aちゃん、よく誰かと飲みに来るん?」

「へ?い、いえ特には……」

「そうなん?ハイボール頼むあたり慣れてんのかと……」

「あ、これは家でよく……」


 
そう言って、縮こまる彼女。
よし、攻めるでセンラ……こうなったら攻めるんや。
勢いよろしく、ジョッキを空にして追加を頼んでおく。

 
「セ、センラさん早いですね。」

「んーまぁ、飲むのは好きやからなぁ…どう?仕事慣れた?」

「そうですねー…何とか。」

「っていうかAちゃん、スケジュール管理めちゃくちゃうまいんやけど、何かしとったんか?」

「あ、え、それはその……」

 
誤魔化すように視線を泳がし、グラスの中身を飲み干す彼女。
ほぉ……これは何かあるんやな?

 
「教えてくれへんの?」

「た、大したことじゃないです…ちょっと、副業みたいなことをしてまして…それで。」

「へぇ、何しとるん?」

「作曲とイラストを…」

「マジか!?」

 
飲んでたビールを吹き出しそうになったのを慌てて飲み込む。
え、もしかしてもしかしなくても同業者的なそんな感じやろか。


「あ、いやそんな大したものじゃないですし…」

「いやいやいや、すごいやろ!どんなの作っとるん?」

「えと、その初音ミクとかのボカロ…ボーカロイドを使ってて……」

「うんうん……」


全力で動揺を隠す、ジョッキをあおってバレへんように……
と、思ってたのが次の瞬間に無駄になった。


「赤ふちって名前で細々と………」

「はぁぁ!?」

「え、えぁ!?」


赤ふちさん、ついこの前浦島坂田船のイラストでお世話になったばかりです…
ボカロPでありながらイラストレーターとしても活躍してる方とは聞いてたんやけど………
まさか、社会人やったとは。そして同じ会社って……運命か。


「Aちゃん、今から言うことは誰にも秘密やで?」

「は、はい」

「どうも、浦島坂田船のセンラです。」

「え、嘘………え!?」


今までで1番大きな声を出して驚くAちゃん。
その後は二人して恥ずかしさを誤魔化すようにお酒を飲んでいた。



「にしても、なぁ……」

「折原さん、酔ってますよねそれさっきから4回目……」


この後の記憶はなかった。

**→←Senra 『ずるいお酒の使い方』



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切り株(プロフ) - すみません!好評価しようとしたら間違えて低評価押しちゃいました!すみません。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月14日 21時) (レス) id: b071ec8f6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Elice | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年7月11日 17時

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