【銀魂】神様の手違い【坂田銀時】 (ページ15)

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仕込み刀を持ち歩くやつには悪い奴しかいないページ15

１週間が経過しました。お金が底を尽きました。原因は食費だ、神楽だ。あの小さい体のどこに食べ物が消えるんだッ?!

そして私はというと、プラプラと商店街を歩いている。金欠な上に仕事もないんだ。暇で暇でしょうがない。

貴「…～♪～♫」

私は気づくと歌を歌っていた。

『現状ディストラクション』である。銀魂は知らないが、歌だけは知っている。

生前の銀魂ファンの友人が、「歌だけは知って置きなさいよ‼」と私に銀魂のCD全部送ってきやがった。迷惑にもほどがあるだろ…っと思いつつ聞いてみると、それが案外良い歌ばっかだった。

それからカラオケで練習した。90点以上は確実。まぁいくつか歌えないものもあるけどな。

それで、話を戻そう。何でその歌を選んだか?
そりゃ、『現状』を『ディストラクション』したいからに決まってるだろーが。

貴「～♩～♪～♫」

?「そこのお主」

貴「…はぁい?」

右から声がしたので、見るとそこにはヘッドホンとサングラスがよく似合う男がいた。

?「その曲、聞いたことないでござるな。
どんな曲名でござるか?」

彼は私の歌っている曲が気になっているようだ。教えてやりたいが、私は薄々２つのこと気づいていた。

１つ目は彼の三味線は仕込み刀であるということ。極道一家の娘が仕込み刀をわからないわけはないだろう。

２つ目はこの世界でこの歌を『歌ってはいけない』ということ…といってももう遅いがな。この世界の名は、多分“銀魂”だろう。

?「おい、聞いておるか、お主?」

貴「あぁ、うん、聞いてる聞いてる。
曲の名前な、えっと、『現状ディストラクション』!」

名前で選んで歌ってたんだから、これが1番あってるよな?

?「…やはり聞いたことのない曲でござる」

貴「そりゃそうさ。だって今作ったんだからな」

彼はものすごくビックリしている。音もほぼ完璧で、リズムもあってる。それを即席で作ったといえば、みんな驚くだろう。

?「…そうか。お主、名前は?」

貴「そうだねぇ…幻華、とだけ名乗っておこうかな?」

?「…偽名か」

そりゃそうだ。仕込み刀を持ち歩くやつにいい奴なんていない。生前の経験上、そうだった。彼はほくそ笑んだ。

つ「拙者はつんぽでござる。また連絡するやもしれぬし、連絡先を教えておくでござる」

私は彼と連絡先を交換した。
彼と別れ、彼の連絡先を登録する。

勿論名前は、グラサンヘッドホンの男、
略して『グラフォン』である。