星が散った夜。 (ページ23)

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ベテルギウスページ23

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星「僕はさ、弱いんだよ」

星は、そう言って少し俯いた。
何かをこらえるような、震えた声。

『星は、弱くない。』

弱くない。
自然と声が出てきた。

でも、星は弱くなんかない。だって、

『だって、星は私を守ってくれてる。
星だけは、私の味方になってくれる。
ずっと、そばにいてくれる。
見捨てないでいてくれてる。

星は、弱くなんてない。』

弱いのは、周りの人だよ。

そう言えば、星は驚いたような顔をして、それから微笑んでくれた。

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星「そういえば。桜、膝の傷触っていい？」

『？？？いいけど、？』

2人で静かに夜空を眺めて、ふと星が言った。

もう、血が固まっている傷。
星はそんな私の膝に触れると、何かつぶやいた。

『・・・温かい、？』

星「そう感じるのかな？、、、ほら。傷が治ったでしょ？」

『本当だ』

さっきまで血だらけだった膝が、綺麗さっぱり治った。

星「これが僕の術式。
・・・・・兄様はね、もっと強い術式だったんだ。だから僕は要らない子。」

『星は要らない子なの？』

星「うん。兄様さえいればよかった家だから。
・・・・・多分、逆らったから完全に捨てられちゃったんだと思う。」

なんで、そんなに悲しそうな顔するの？
なんで、そんなに寂しそうな目なの？

星は、笑顔が1番だよ。

『じゃあ、私には星が必要だからいてくれる？』

そう言えば、星はすごく嬉しそうな顔してくれた。
まるで、ひまわりが咲いたみたいな明るい笑顔。

星「桜が生きるために僕が必要なら、いくらでも一緒にいる。

“約束”だよ？」

『うん、“約束”。』

そう言って私たちは、施設へ向かって一緒に駆け出した。

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ベテルギウス → オリオン座の1等星。冬の大三角を形成する星の1つ。