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「…え？そんな事は…」
俺はエーミールの戸惑いにクスクスと笑う。彼は俺と真逆の人間。心優しく、誰に対しても平等に接する。でもこれ以上彼と一緒に居ると、俺の方がダメになってしまうから。
俺はそそくさと彼から離れた。
「エミさん！！こっちで一緒に飲もうや！！そんな隅の方に居ても仕方がないやろ！」
──それにほら、彼には素敵なお仲間サンが居るからね。
「…アンデッドさん」
はぁ…可笑しいなあ。エーミールから離れたというのに、次から次へと話し掛けられる。いつから僕はモテモテになったんだろう。趣味悪いよ、俺に話しかけるなんてさ。
「…どうしたの？ショッピ君。君、さっきまでコネシマとワイワイ楽しそうにしていたのに」
「そう見えたんなら目、潰しますよ」
「はは、中々恐ろしい事を言うね」
目を顰めたショッピに俺は乾いた笑いを贈る。本当に彼らはどうして俺なんかに話し掛けたりするのだろう。
「…で？本題は？」
「…いえ特には。ただ煩いクソ先輩の中にずっと居ると疲れてくるんですよね」
「あー、なるほど。要するにこっちに逃げてきた訳だ」
「…まぁ、そうっすね…」
「でもいいの？俺は君らの敵だよ。君らの仲間を何人も殺したし、なんなら君らの命も奪い取ろうとした最低最悪なクソ野郎だけど？」
「…確かにあんたは俺らの敵っすよ。それは変わりありませんし、何より俺もあんたの事はあんま好きじゃないですから。まぁ、彼処に居るよりはマシってだけです」
「…ふふ、嘘でも好きだと言って欲しかったなあ」
「相変わらず、思ってもいない事をよくもまあそんなにベラベラ喋れますね」
「これが俺の得意分野だからね」
ゴクリと一口手に持ったグラスに口を付ける。そろそろファ〇タも飽きてきたな。俺はキョロキョロと徘徊しているメイドを探す。
「…さてと、そろそろ君から離れるとするよ。君の"優しい"先輩が俺の方を睨んでるからね。あんたも早く彼らの所に戻ってあげなよ」
彼から背を向けてヒラヒラと手を振る。
背後から視線は感じるが、俺は気にせず、メイドから新しいグラスを受け取ると、その場で一口口にした。
──此処に居ると俺は俺で無くなってしまう気がする。それもいい意味で。でも今日は少しだけ、心が暖かいモノで満たされた。
「…楽しかったな…」
──悪役が「幸せ」だと感じる一時は直ぐに打ち壊される。それは御伽噺の本質であり、物語の絶対条件。
「──うぐっ…っ！！グハッ！！」
それは喜劇の始まり。
「っ！？グルッペン！？」
そしてそれは俺の小さな「幸せ」を壊す悲劇の幕開けだった。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
