第5話 ページ6
ご飯を食べ始めていると、和泉守に話しかけられた。
ちょうど新選組の席と近かったからね。
「なぁ、いつ国広を鍛刀すんだ?」
『っ………ごめん、あと少しだけ待って、』
後少しだけ、自分と向き合いたいから。
そう言うと、和泉守は訳が分からないと言った表情で「分かった」と言い、またご飯を食べ始めた。
私の本丸には、"1振り"も【脇差】が居ない。
それは、言わずもがな私が避けているから。
前世で脇差確定レシピを知っているため、呼ぼうと思えば簡単に呼べるのだ。
・・・・・・だけど、呼べない理由があるのだ。私の、身勝手な理由が。
ここの本丸は、ゲームでの本丸とほぼ同じだ。
ただ脇差が居ないだけで、少し太刀が多いだけで。
来る順番は、全て一緒なのだ。
・・・・・・・・・・・・そこに、問題があるんだ。
本当に、本当に身勝手な理由。
それは、私の前世での【最推しが初脇差】だからだ。
もう、あれだけゲームと被っていれば初の脇差は必然的に最推しが初めに来る。
・・・・・・そう。心の準備が出来ていないのだ。
本当に、身勝手過ぎる。
たかがゲームでの最推し。
けれども、あの人の言葉に、私は救われたのだ。
だから、実際に会うことになると、必ず私は過去を思い出して泣いてしまう。
・・・・・・そうすれば、勘のいい太刀やらには本当の事を──前世での記憶を話さなくてはいけないのだ。
・・・・・・・・・・・・だから、心の準備。自分と向き合いたいから、ずっと脇差の鍛刀を先延ばしにしている。
そこまで考えて、はぁ、というため息とともに箸を置いた。
「?どうかしたのか?」と、隣の長曽祢が聞いてくる。
その言葉が、重いんだ。
だって、その脇差は──
君の、長曽祢の…______________だから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
分かった人もいるのでは?
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狐の子(プロフ) - 第30話の所「短刀」が「担当」になってますよ! (2018年12月20日 22時) (レス) id: bf2de55560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年11月24日 18時