第13話 ページ14
私は、笑顔を貼って答えた。
『ううん。何でもないよ。
見習いさん、どんな人かな?楽しみ!』
ね、こうしてたらさ
虐めないでしょ?
「・・・・・・そうだな」
ほら、言った。
人なんて、すーぐ裏切る。
ちょっと弱い所を見せれば、そこから一気に剥がされるんだから。
だめだよ、自分。
剥がされんな。
頬をぺちん、と叩いて、朝餉のために広間に向かった。
「・・・・・・見習いなんか、信じないからな」
大丈夫だ、主。
そう長曽祢が言った声は、心を塞いだ私には聞こえてなかった。
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『はーい、こっち向いてください』
私が呼び掛けると、みんなが話をやめてこっちを向く。
隣の長曽祢に合図を送り、話し始めた。
『今日から1週間後に、ここの本丸に見習いが来ます。
みんな、仲良くしてあげてくださいね』
すると、太刀組から声が上がった。
「まだ主は審神者になって一年も経ってないだろう?何故見習いなんか付けるんだ?」
鶴丸の不満そうな声に、そうだそうだと声が上がる。
『審神者って、全体的に少ないでしょ?だから政府がね、早く人材を確保して、早く本丸を持ってもらいたいんだって。歴史を変えさせないために。』
「・・・・・・そうか」
『うん。そこでね、見習いに1人世話役を命じたいんだけど…やりたい人っていますか?』
色んな所から聞こえる声は、みんな「やりたくない」の一言。
あの忠実な長谷部も、ブンブン首を振っている。
『うーん、なかなか決まらないね』
「そうだな。みんな主が大切だから、離れたくないんだろう。見てみろ、太刀のところを」
長曽祢にそっと耳打ちをされた通り太刀組を見ると、
なかなかにカオスな現場となっていた。
「俺は、主のところを離れたくないぞ」
「俺も鶴丸に同意見だ」
「あの方は和睦の象徴…遠ざかりたくありません」
「見習いの世話役なんて、かっこよくないよね。…主のところなら全然オーケーだけどね」
「主…大包平…」
「いっその事誰も付けない、というのはどうですかな?」
ちょ、一期。
おい、みんな賛成するな。
『・・・・・・どうする?』
「・・・・・・あんな奴ら、見たことないぞ」
無駄に頑固だな、この本丸のヤツら
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狐の子(プロフ) - 第30話の所「短刀」が「担当」になってますよ! (2018年12月20日 22時) (レス) id: bf2de55560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年11月24日 18時