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2 side
正「お前、次来るとき絶対傘返せよ」
2「当たり前じゃないですかー…
っていうか、本当に傘借りちゃっていいんですか?
別にびしょ濡れで帰っても問題ないんですけど…」
正「バカか!子どもをびしょ濡れで返さす理由がどこにあるんだよ!
大体、俺たちはお前の親みたいなもんなんだから、大人しく甘えとけっつーの!」
2「ふふ…じゃあ、大人しく借りときまーす笑」
正「おう、そうしろそうしろ。
お疲れさん。気を付けてなー」
2「はい!お疲れさまでした!」
中居さんに傘をお借りして、家までゆっくりと帰る。
なんか、今日はいろいろあって疲れた…
家に帰りソファーにぐでーっと横になると、同時に鳴り始めるスマホ。
2「…もしもし、二階堂です」
f『やっと繋がった…
お前、今日何してたの?
委員会来ないし電話しても出ないし…心配した』
2「すみません…
バイトしてて、」
f『別にいいけど…
何もないならいいわ』
“ 何もないなら ”
先輩の口から発せられたその言葉に、今日の出来事__イヤ、今までのストーカー被害、郵便物の荒し、盗撮…
ここ一週間で起きている奇妙で辛い出来事を話そうかと、一瞬悩んだ。
だけどそれ以前に俺の心は限界で。
2「何もないならいいって…!
どうして先輩にそんなこと言われないといけないんですか!?」
気がついたら先輩に当たってしまっていた。
f『ごめ、』
2「俺だって、先輩みたいに部活したいし、バイトせずに暮らしたいし…!
やりたいことはたくさんあるのに!
学校終わったら直ぐにバイト!
何もないなんて、そんなわけないじゃないですか!
いっつも辛くて…頼ってって言われても、頼り方がわからない!
なのに…っ!」
f『ごめん、二階堂。
俺、酷いこと言った…』
2「いや…俺、ちょっとイライラしてて…すみません」
そのまま何かを話せる勇気もなく、一言二言交わして電話を切った。
2「っ、すみません、先輩…泣」
今日は泣いてばかりだな…
あんな酷い態度とって俺、先輩に嫌われちゃったかも…
2「もう…何やってんだよ俺…っ、」
ぐすん、と鼻をすする音だけが
家の中に響き渡った。
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yuzu_(プロフ) - もう更新する予定ってありませんか?? (2021年5月28日 21時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹色双葉 | 作成日時:2020年7月24日 16時