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6.街へ ページ6

こちらを向こうとしないエドワード。アルフォンスも然り。
「なるようになるだけだ。」

エドワードらしくない答えだと思った。

「そんな非科学的!
この国の文字は英語なのに、私は英語は苦手だし、それだと日常生活に支障が出る!交通機関も…」
「兄さん、時間が…」
早く家を出ようとアルフォンスが促す。

「流れを受け入れろ。」

「無茶苦茶すぎ––」

反論を返そうと一歩踏み出した時、エドワードがバッとこちらを振り向く。その際に見えた瞳は、怒りに満ちていた。そして、私の胸ぐらを掴みあげると…

「無茶苦茶…?人の事言えるのか、お前は。
真理を見た?ふざけるな!!!」
「どうせ禁忌を犯した、バカな錬金術師にでも聞いたんだろ!?嘘もいい加減にしろ!!!」

分かっていた。エドワードもアルフォンスも真理を見た。それを知っていたのだ。しかし、私は勢いに任せ…

「嘘じゃない!!私は陣を描いて遊んでたら、陣が−−
「陣?それは、何の陣だったの?」

一瞬、空気が凍りついた。今のアルフォンスの声は、感情の籠らないような冷たい声だった。

「・・・物語で見た人体練成の陣を…」

「人体練成だと?! ッっお前はっ!!!!」

エドワードは私の胸倉を掴む手にさらに力を込め、言い訳を考えさせる暇も与えない。

「違––」
「違わない!!!人体練成がどんなに危険か!!!それを興味半分でっ!!!」

「確かに、あれは友達と遊びで…
だから、完全な陣じゃなかった!!それに、私は錬金術を使えない!!
代価も用意していなかったし、力の循環やら法則やら意味不明だし!第一、私は勉強が苦手だから錬金術なんて!
あの陣もどういう意味か分からない!言い訳見苦しいけど…」

考えついた言い訳を一気にまくし立てた。

「だが、危険な練成をしたことに––」
「兄さん、もうやめよう。
・・・君の言うことはあまり信用ならないけど、困ってるのは本気みたいだから、軍に保護してもらうよ。」

こんな時でも、アルフォンスの判断は至って冷静なものだった。
かくして、どんな形であれ、私も軍部に行けることになった。

兄弟には私が真理を軽視しているように感じられるらしく…私の事はたまたま道であった程度にしか見えていないようだ。

移動に汽車だなんて時代を感じる。そう言えば、本編でエドワードが椅子が固いと文句を言っていたが…

7.汽車→←5.レイズド



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設定タグ:鋼の錬金術師 , トリップ , ハガレン   
作品ジャンル:アニメ
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小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです! 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…(笑) 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです!真理も色々あるのかな?夢主ちゃん頑張れ!エドは意外といろんな面で小さいぞw小説頑張って下さい! (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう!」と思い、書かせていただきました(笑) この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です!ありがとうございます! (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小松 翠 | 作成日時:2017年2月28日 0時

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