断章 ページ5
｢私はもう死ぬよ。この場所に住んでいないと、私の体には何もかもが毒になるって。諸説はあるけどねー。｣
夏油｢あるんだ。ところで...その毒って？｣
｢同じ生き物なのに、汚水じゃ生きていけない。綺麗な水じゃないと命が絶たれる。ほら、そういうイレギュラー的な感じだよ。私は生き物を知りすぎた、呪いを受けすぎた、故に死ぬ。私を友人と呼びながら、私を助けてくれた商人に会えなくなるのは寂しいな。｣
夏油｢狐のことかな。｣
｢......狐、かな。狐みたいに騙しが得意だけど、兎みたいに自由に飛び回る......そんな感じにも見える。うん、商人の方がちょうどいい。｣
夏油｢...君は私と話して、どうされたい？助けられたい？｣
｢ちょうどいい感じに愚痴れる人がいたから、愚痴を溢しただけ。お願い、邪魔をしないで。私はこのまま死にたい。｣
夏油｢なるほど...って、死にたい！？｣
｢死にたい！抗えるところまで抗って、最後に後輩を守って死にたい！今回は＿＿＿＿＿＿＿だけど......それも乗り越えないと、何もやってられな｣
夏油｢普通なら生きたい、だろ！？何でそんな...！｣
｢......好きなんだ、皆のことが。これ、私に話したらダメだよ？絶対に泣き出すから。次は前日に、ね。｣
誰が死ぬって？
君はすべてが見えた。本体はそれを忘れたまま生きることにして、夢の君はそれを受け入れると。
夏油｢......話さなくたって、君は助けに行くのだろう。｣
菅田｢夏油様、どうしましたか？｣
夏油｢ああ...バカみたいな夢を見たんだ。...あの子、どこまで見てるんだろう。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月3日 12時
