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春「......あのさ、A。ルーラーのアイツは...すごく人を憎んでいた。俺を使って半神を苦しめるほどに。同時に、お前みたいに普通を望んだ、ただの女の子でもあったよ。」
女神「はい、知ってます。」
春「お前はそれを受け入れるのか?」
女神「受け入れます。あったかもしれない別の私がいたことは、逃れようのない事実なのです。...だから、そんな悲しい顔をしないで。」
春「だってさぁ...お前が痛いのは、俺も辛かったんだぜ...?」
女神「......ありがとう。春。地上に戻ったら、すべてが終わったら、遠くへ行きましょう。その前にせめてものお詫びとして、この世界の記憶を彼女から削除しないと。あまりにも刺激的すぎて、あまりにも悲しすぎた。その記憶が蓄積され過ぎると、人は壊れてしまうから。」
春「そうだな...絶対に遠くへ行こう。支配も何も関係ない、誰も知らない遠くの地へ。...そこで、二人でゆっくり眠ろう。」
キリシュタリア「バーサーカーは?」
サンソン「このまま追い詰めれば確実に殺せます。コイツ、逃げる知性もないみたいですし。」
こんな無名の男が、俺に傷をつけた。俺に血を吐かせやがった。
バーサーカー「......面白い!女を喰うより楽しいじゃねぇか!なあ、名前はサンソンなのか?サンソンって言うんだな!?ソイツは返してやる!だからもう少しだけ俺と戦おう!俺を追い詰めた英霊はお前が初めてなんだ!」
サンソン「......」
バーサーカー「喰うことより楽しいことがあったなんて...初めてだよ...!もしかすると、壁の外にはもっとあるのか?戦う以上に面白いことが!俺の鼓動を止めてしまうほどの何かが!」
サンソン「あるかもしれませんね。」
死ぬ前に聞いてみたい!俺をここまで高ぶらせたんだ、答えてもらわないと損だ!
バーサーカー「ウミ、ってやつの向こう側には...もっと強いヤツがいるのかなぁ...!」
サンソン「...!」
バーサーカー「ゲーム、だっけ?ルーラーが消し去ったが、本当ならこの時代にはとっくに存在していたものだ!丸いのを動かして、ズギャーン!ズババーンって戦うのもあったんだよな!?それはこの殺し合いより楽しいのか!」
......コイツ、なんで驚いてるんだ。
なんで悲しんでるんだ。
バーサーカー「......そっちじゃ当然すぎて、感動も何もないのか。可哀想にな。俺たちみたいに新鮮な気持ちを味わえないんだな。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年12月26日 18時