楽園再帰/王妃の正体 ページ15
｢...さて。私はしばらく眠るけど、それでもいいかな。｣
コヤンスカヤ｢マジで寝てください！そっちの方が助かります！｣
｢こわ...そうさせてもらうよ。君たちも疲れたなら無理はせずに、ゆっくり休むんだよ。おやすみなさい、みんな。｣
サンソン｢その前に薬の時間だよ。それじゃ、僕も一度失礼するよ。患者を見守るのが医者の仕事だからね。｣
英智は最後に叱られたがっていた。自分が情けないから、罪深いから、ずっと誰かに叱られたかったんだと思う。
｢...シャルル、レポートはこれで大丈夫？｣
サンソン｢ああ。抜けている箇所は一つもないし、ゴルドルフも大丈夫だと言ってくれるだろうね。帰還してから渡そうか。｣
｢うん。｣
そういえばアジャイさん、アーシャ、怪我していないかな。ヴィハーンのことがあったから、もしかしたら消えているのかもしれない。消えてほしくない、ずっとそこにいてほしい。
例えいつかは消える運命の異聞帯でも、私は奇跡の一つは起こってほしいと願っている。
｢...薬も飲んだし、私はそろそろ眠ることにするよ。シャルル、ボーダーの守りをよろしくね。｣
サンソン｢ああ。おやすみ、A。......誰か部屋の前にいるのか？｣
ラクシュミー｢...すまない、邪魔してもいいだろうか。｣
サンソン｢いいですよ。マスターならもう寝ていますし、別に遠慮なくてしなくてもいい。｣
ラクシュミー｢ありがとう。なら単刀直入に聞くが、その少女の傷の具合はどうだ？｣
サンソン｢成人なんですけど...もう大丈夫です。コヤンスカヤが治してくれたおかげで、彼女の自動修復にもあまり負担がかかっていないんです。その点だけは、あのクソ女を信用してやらなくもないんですけどね。｣
ラクシュミー｢...よかった。ん？成人？｣
サンソン｢こう見えて成人ですよ。ほらほっぺたも伸びる。｣
｢んにぃ...｣
ラクシュミー｢それ、子供でも伸びると思うが...可愛いからいいか。｣
サンソン｢でしょう！？可愛いでしょう！？｣
ラクシュミー｢うーるーさーいー！そう言うから誰も素直に...｣
｢うるさい。｣
｢｢...スミマセン。｣｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琲世 | 作成日時：2021年10月28日 18時
