心を燃やせ、少年 ページ27
カルデアが柱の元に戻った時には、もう遅かった。
十二鬼月が斬られても死なず、そのせいで何人もの隊士たちが犠牲になってしまった。その隊士たちの何人かは埋葬されたが、多くの遺体は彼らの希望で鬼に食わせることとなっていた。
葛原｢...ようやく鬼殺隊の一員になる気が出ましたね？｣
クロノス｢...｣
葛原｢人を食わされたら、こちらに入るしかありませんか。これでようやく君達を僕の指揮下に置けるし、決戦にも挑める。死んでしまった彼らは残念ですが、肉は君達に与えます。それでよろしいですね。｣
クロノス｢いいぜ。その前にカルデアに...｣
ダ・ヴィンチ｢お呼びかな？鬼殺隊新人隊士のクロノスくん。｣
鬼は女を睨んだ。そして笑ったのだ。
賢いヤツなら知ってるとも。鬼は強さで上下関係を決め、強さで相手を見極めることしか能がないってことを。
クロノス｢俺は時間を司る神、クロノスの名を授かった男だ。今日ぐらいは手加減してやるよ。マスター、前に出ろ！｣
藤丸｢...俺たち、ですか？｣
紙屋｢少し疲れてるんだが...｣
クロノス｢あの惨状を見て、さすがに心が揺らいでいるようだな。だがな、そんなことはどうでもいいんだよ。｣
人を気遣えない、慰めもしない。戦って己の行く先を決める、それだけが鬼となった男の人生。
クロノス｢さあ、お前らの刃を出せ。中途半端な結果だけは出すなよ？お前らを食い殺したくなる。｣
エレシュキガル｢ハハッ、君は本当に戦が好きだなぁ。いいよ？俺も手伝ってやる。カルデアという訳のわからない魔術師と、一度戦ってみたかったんだ。｣
砯｢僕も参上させてください。...原初の巨人、ユミルの名を司った男の力。冥界の女主人、エレシュキガルの名を司った男の力。彼らに思う存分堪能してもらいましょう。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2021年9月24日 21時
