. ページ44
｢...ねえ、どうしてこの街を破壊したの？国を建て直すことが目的なら、こんな事をしなくたって出来るでしょ！？それとも殺人が好みなわけ！？｣
ジャンヌ｢私もそれが聞きたかった。もう一人の私、答えてくれますか？｣
ジャンヌ・オルタ｢...馬鹿馬鹿しい問い掛けですね。そんなもの明白じゃないですか。単にフランスを滅ぼすためですよ？私、サーヴァントですもの。｣
サシャ｢...！｣
ジャンヌ・オルタ｢政治的にとか、経済的にとか回りくどいわ。物理的に、ぜんぶ潰す方が確実で簡潔でしょう？｣
ジャンヌ｢バカなことを...！｣
ワイバーンが民の死体を喰い漁る光景も見ていられなかった。決してこの世に存在してはいけない生物、複数のサーヴァント...己の復讐のため、関係のない民まで巻き込む行動。
断じて許される行為ではない。そこにどんな大義があろうと、私は決して許せない。
ジャンヌ・オルタ｢バカなこと？愚かなのは私達でしょう、ジャンヌ・ダルク。何故こんな国を救おうと思ったのです？何故こんな愚者たちを救おうと思ったのです？裏切り、唾を吐いた人間たちだと知りながら！｣
｢...え？｣
ジャンヌ・オルタ｢そこのサーヴァントも知らないの？民も私を裏切ったのよ。魔女だと叫びながら石をぶつけ、この私を地獄の炎で焼くという愚かな行為をただ見つめていた。...この所業を知りながら、まだ彼らの味方をすると？｣
＿＿＿＿...
ジャンヌ・オルタ｢私はもう騙されない。もう裏切りを許さない。そもそも、主の声も聞こえない。主の声が聞こえないという事は、主はこの国に愛想をつかしたという事です。だから滅ぼします。主の嘆きを私が代行し、すべての悪しき種を根元から刈り取ります。｣
彼らもジャンヌを苦しめた。中には嘲笑う者が、恐れる者が、殺せと声を出す者が。彼らがジャンヌ・ダルクを苦しめ、殺した。
ジャンヌ・オルタ｢人類種が存続するかぎり、この憎悪は収まらない。このフランスを沈黙する死者の国に作り替える。それが私。それが死を迎えて成長し、新しい私になったジャンヌ・ダルクの救国方法です。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琲世 | 作成日時：2021年4月27日 10時
