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ジャンヌ・ダルク、ジル...聞き覚えのない名前だ。だがサーヴァントとしてこの場に召喚された以上、彼らの最期ぐらいはわかる。
彼女は聖女とは思えないほど邪悪だ。だが、これが本来のジャンヌ・ダルクなんだろう。魔女と決めつけられ、豪華に焼かれた女の末路なんて容易く想像できる。
ピエール｢三日前に死んだ！殺したはずだ！｣
ジャンヌ・オルタ｢地獄に堕ちたはずだ、と？かもしれませんね、司教。さあ、どうします司教！？貴方が異端だと弾劾したジャンヌ・ダルクがここにいるのですよ？十字架を握り、天に祈りを捧げなくて良いのですか？｣
？｢...やめろ。｣
ジャンヌ・オルタ｢わたしを罵り、嘲り、踏みつけ、蹂 躙しなくてよいのですか？邪悪なジャンヌ・ダルクがここにいると！勇敢な獅子のように吼えなくて良いのですか！？｣
ピエール｢...た｣
ジャンヌ・オルタ｢た？｣
ピエール｢た、助けてください、何でもします...助けてください、お願いします...！｣
...男の様子を見て、オレも笑いが込み上げてきた。これがオレの本性なのだろう。哀れな選択をしたあの女が拒んだ、本来のオレが今なのだろう。
？｢アハハハハ！これは傑作だ！｣
ジャンヌ・オルタ｢ええ、ええ！そうね！私を縛り、嗤い、私を焼いたこの司教様が！この私に助けてくださいって言ってるのよ！やっぱり私達は気が合うわね！｣
？｢アハハッ...ああ、本当に哀れだよ。デカイ害虫が助けてと命乞いをする無様な姿、オレにはただの家畜にしか見えん。...よし、コイツに慈悲をくれてやろう。どんな家畜にも、神は優しく応えてくれる。｣
ジャンヌ・オルタ｢神に縋ることすら忘れ、魔女へ貶めた私に命乞いした彼は、信徒の風上にも置けない。自らを異端者だと証言してしまった彼を、どういった刑に処すか...それは此処にいる全員が知っています。｣
笑いが止まらなかった。こんな姿を皆が見たら...幻滅するだろうか？
いいや、もう構わない。オレは自由だ。
ジャンヌ・オルタ｢足下から始めましょう。私が聖なる焔で焼かれたならば...｣
？｢お前は地獄の焔でその身を焦がせ。｣
ピエール｢ギャアアアアアアア！！！！！｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2021年4月27日 10時
