A.D.1431 邪竜百年戦争 オルレアン ページ28
その四年間は、実に長かった。
彼にとっては苦しい時間だった。目の前に愛する娘がいても手が届かず、最強と言われていたとは思えないほど涙を流した。
私たちはその四年間を乗り越え、あの地獄を乗り越え、幸せを手に入れた。
...だがその幸せは、あの男が"空白の四年間"に介入したことで＿＿＿＿
｢...｣
ダ・ヴィンチ｢おはよう。寝心地はどうだったかな？｣
｢冬木の事もあって...体が痛いです。｣
ダ・ヴィンチ｢だろうねぇ。真っ先に伝えておくけど、キミは藤丸君と契約していない状態だ。キミ自身が契約したと思っても、Aの中の英霊は嫉妬の塊なんだろうね。だから正規契約は初期の通り、キミ自身と行われている。ここまではいい？｣
｢はい...あの、なんか夢を見たんです。｣
ダ・ヴィンチ｢夢？｣
空白の四年間...それを語った人の友人はその四年間に苦しみ、それでも地獄を乗り越え、幸せを手に入れたと話していた。
おそらくは八つ目の特異点。何かを通じて、私はその特異点の夢を見たのだろう。
ダ・ヴィンチ｢ふむふむ...これまた不思議な現象だ。Aの中の英霊が見せたのかな...｣
｢ダ・ヴィンチちゃん、それよりも管制室に。｣
ダ・ヴィンチ｢いや、キミにはもう少し休んでほしい。これからの方針も伝えておくけど、私はこれからは支援物資の提供、開発、英霊契約の更新等でキミたちのバックアップをする。私はマシュのように各時代にはそうそう跳んでいけないからさ。｣
｢...でも、あの子と正式に契約すれば力にはなれるんだよね？｣
ダ・ヴィンチ｢もちろんだとも！それはキミも例外ではないよ。｣
ロマン｢A、少しは休めたかな？そろそろレイシフトの準備をするよ。コフィンもちゃんと用意してある。｣
ダ・ヴィンチ｢...予想より早い出発のようだね。その夢の真相は、まだ先にある。それまではゆっくりと時代の旅を楽しんでくるといいよ。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2021年4月27日 10時
