検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:64,561 hit

26 ページ27

ママの書斎につくと、コンパクトを片手に、こちらに笑顔を向けてくるママがいた

そのいつも通りの笑顔には、自然と私をおさえるような圧があった

いや、正確には私と隣にいるユウお兄ちゃんだが

ユウお兄ちゃんは、いつからか私の後ろをついて来ていたようだ

ユウお兄ちゃんは、そんな圧を無視するかのようにニコニコと笑っていた

ママ「さて、ユウはとりあえずおいて、セラはなんで呼ばれたかわかるかしら」

『...』

私は、受け流すユウお兄ちゃんとは違って、いつも通りの無表情で対抗するように沈黙を続けた

その様子を見たママは、少し肩を上下させた

ママ「あら、気付いてない?そうね、これはまだ私の推測でしかないけれど、あなたはこのハウスがどんなところなのか、知っているのでしょう?」

『...どうしてそう思う?』

ママ「ユウが大きく関係している。あなたの様子がおかしくなったのはユウが出荷された次の日から。あなたは多分、ユウが出荷されていく様子を見てしまった。大切にしていた人がいなくなるということは、つらいものね」

ママは辛そうな顔で、黙ってしまった

ママも、大切にしていた人をなくしてしまったのかな

『まぁ、正解かな。ところで、用件はなに?』

ママ「2つ。一つはレイを見張ってちょうだい。あなたも薄くは気付いているのでしょう?レイはハウスの秘密を知っている」

『見張る?なぜ?』

ママ「逃がさないためよ。あの三人を」

『なにそれ。私は逃げないと考えてるってこと?』

ママ「あなたは逃げたとしても、確実に捕らえることができる。なぜかは秘密よ?それに、ユウは確実に逃げられないもの。」

ユウ「そうだね、ママ。セラ、この機会に言っておくよ。僕はもう、確実に生きて外に出られない。僕が活動できるのは、このGFという檻の中だけだ」

…え?

わけがわからない

説明して!

そう叫ぼうとした声は、出ることはなかった

ママ「二つ目はあなたの旅立ちの日よ。まだ先になるけど、決まったわ。」

『えっ!?』

ユウ「そんなことは聞いていない!約束と違うじゃないか!」

珍しくユウお兄ちゃんが声を荒げた

前にも一度だけ、そんなことがあったような気がする

あれは、いつだっけ?

ユウ「というか、いつなんだよ」

そんなこと、思い出している時間なんてないんだ

ママ「本部から通達があったの」

今は、生きることを考えないと

ママ「準備は整った」

*私に願ってよ*

ママ「11月3日にセラをこちらへ、と」

もう、あなたに頼るしか、方法はないのかな

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
93人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: fe5bdcf85c (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 面白いです!頑張って下さい!! (2019年12月4日 17時) (レス) id: e5389fce93 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ネギトロ81194さん» すごく嬉しいです!!頑張るつもりで頑張ります! (2019年10月13日 12時) (レス) id: f4a233b79b (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ81194 - 面白い…最高…神…好き…更新頑張って下さい! (2019年10月10日 15時) (レス) id: 0e7815ed8c (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 碧さん» うん…本当だった… (2019年9月16日 10時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年5月2日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。