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ママの書斎につくと、コンパクトを片手に、こちらに笑顔を向けてくるママがいた
そのいつも通りの笑顔には、自然と私をおさえるような圧があった
いや、正確には私と隣にいるユウお兄ちゃんだが
ユウお兄ちゃんは、いつからか私の後ろをついて来ていたようだ
ユウお兄ちゃんは、そんな圧を無視するかのようにニコニコと笑っていた
ママ「さて、ユウはとりあえずおいて、セラはなんで呼ばれたかわかるかしら」
『...』
私は、受け流すユウお兄ちゃんとは違って、いつも通りの無表情で対抗するように沈黙を続けた
その様子を見たママは、少し肩を上下させた
ママ「あら、気付いてない?そうね、これはまだ私の推測でしかないけれど、あなたはこのハウスがどんなところなのか、知っているのでしょう?」
『...どうしてそう思う?』
ママ「ユウが大きく関係している。あなたの様子がおかしくなったのはユウが出荷された次の日から。あなたは多分、ユウが出荷されていく様子を見てしまった。大切にしていた人がいなくなるということは、つらいものね」
ママは辛そうな顔で、黙ってしまった
ママも、大切にしていた人をなくしてしまったのかな
『まぁ、正解かな。ところで、用件はなに?』
ママ「2つ。一つはレイを見張ってちょうだい。あなたも薄くは気付いているのでしょう?レイはハウスの秘密を知っている」
『見張る?なぜ?』
ママ「逃がさないためよ。あの三人を」
『なにそれ。私は逃げないと考えてるってこと?』
ママ「あなたは逃げたとしても、確実に捕らえることができる。なぜかは秘密よ?それに、ユウは確実に逃げられないもの。」
ユウ「そうだね、ママ。セラ、この機会に言っておくよ。僕はもう、確実に生きて外に出られない。僕が活動できるのは、このGFという檻の中だけだ」
…え?
わけがわからない
説明して!
そう叫ぼうとした声は、出ることはなかった
ママ「二つ目はあなたの旅立ちの日よ。まだ先になるけど、決まったわ。」
『えっ!?』
ユウ「そんなことは聞いていない!約束と違うじゃないか!」
珍しくユウお兄ちゃんが声を荒げた
前にも一度だけ、そんなことがあったような気がする
あれは、いつだっけ?
ユウ「というか、いつなんだよ」
そんなこと、思い出している時間なんてないんだ
ママ「本部から通達があったの」
今は、生きることを考えないと
ママ「準備は整った」
*私に願ってよ*
ママ「11月3日にセラをこちらへ、と」
もう、あなたに頼るしか、方法はないのかな
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碧(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: fe5bdcf85c (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 面白いです!頑張って下さい!! (2019年12月4日 17時) (レス) id: e5389fce93 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - ネギトロ81194さん» すごく嬉しいです!!頑張るつもりで頑張ります! (2019年10月13日 12時) (レス) id: f4a233b79b (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ81194 - 面白い…最高…神…好き…更新頑張って下さい! (2019年10月10日 15時) (レス) id: 0e7815ed8c (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 碧さん» うん…本当だった… (2019年9月16日 10時) (レス) id: a124146768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2019年5月2日 21時