*～箱～*〈約ネバ〉 (ページ3)

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YOUside

おかしな夢を見始めたのは、六歳になった頃から

その頃は、夢の中に年上の女の人が出てくるだけだった

その度に

誰？

と問いかけると

誰でしょうねぇ？

と妖艶に笑ってかえす

それだけだった

変化があったのは八歳になった頃

その日も女の人が夢に出てきた

だけど、もう１つ見えた

それは、たくさんのカラフルな箱

これは何？

そう問いかけた

これは心の箱よ

そうかえってきた

青い箱に触れてみる

涙が止まらなくなった

オレンジの箱に触れてみる

心がポカポカとあたたかくなった

黄色い箱に触れてみる

過去の光景や感情が脳裏をはしる

不思議な箱だと、率直に思った

それを女の人は優しい目で見ていた

そして、9歳のとき、ハウスの秘密をしった

原因は、兄の出発の日

私は兄によくなついていた

その兄が、門で見送ってほしいと言った

ママにばれると怒られるから夜、１人で抜け出した

そして門でみた光景に言葉を失った

動かない、胸に花のささった兄が異形の生物に瓶につめられる光景

逃げろ

そう、女の人が叫ぶ声が聞こえたきがした

私は逃げて、逃げて、ベッドの布団にもぐった

あれは何？

兄はどこ？

優しくて、あたたかい兄はどこ？

頭はすでに混乱していた

夢で女の人が教えてくれた

ハウスの正体

鬼の存在

兄がもういないこと

私は泣いて、泣いて、泣き叫んだ

それから私は人との接触を避けるようになった

大切な人をつくって、失ったときの悲しさを知ったからだ

大好きだった鬼ごっこに参加せず、１人で本を読むようになった

大好きだったエマとの会話も次第に少なくなり、レイやノーマンに勉強を教えてもらうこともなくなった

大好きだったママに抱きつくこともなくなった

今も、変わらない

10歳の頃から、女の人が必要に願いはないかと聞いてくるようになった

どうしてそこまで願いを求めるの？

そう問いかければ

あなたの力になりたい

そうこたえた

そして最近はもっと願いを求めてきた

そして、彼女のことも教えてもらった

彼女は自称カミサマのアヤちゃん

私と、特別な箱を守っているという

ちなみに、私は今でも心の箱に触れることがある

家族が出荷された悲しみを消すために

孤独という悲しみを消すために

今では私は箱を使って気持ちを変える、孤独な子となってしまった

これはそんな私の物語