Awesome Ordinary (ページ28)

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向かい合って座っていたオッパが立ち上がって私の横に立つ。
両手を広げられた胸に迷うことなく飛び込めば、少し懐かしい香りと感覚。

背中に回った腕がぎゅっと私を抱きしめ、ゆらゆらと揺れる。

「Aはよく頑張ってるよ」
「うん、」
「つらいことも苦しいこともみんなに見せないようにって抱え込んで」
「…うん」
「いつだって逃げてきていいよ」
「EXOに入れてくれるの？」
「ううん、オッパの扶養に入れてあげる」
「あはは、それ助かる」

見上げるとこれでもかってくらい優しい顔をしたベッキョンオッパ。

「泣いていいよ？」
「まだ、泣かない！」
「昔はよく泣いてたのになぁ？」
「SuperMのころ？」
「そんときもだけど、俺に告白してきたとき」
「あれはっ！」
「オッパがすきぃーって泣いて」
「恥ずかしい、」
「あれは可愛かった」
「若気の至りですね」
「今は告白してくれないの？」
「オッパもう私大人なの」
「今のAだったら付き合えるのに」
「あの頃はだめだったの？」
「だってあの頃中学生じゃん！」
「高校生だよ！」
「そうだっけ？」
「ま、今もかわんねーけどな」

もう一度だけぎゅっと抱きしめたオッパは、椅子に私を座らせて向かいの席に戻った。

「オッパ、また大丈夫って言ってくれる？」
「いつでも」
「オッパ大好き！」
「結婚する？」
「私が行き遅れたらね」

この後懐かしい話をしながらお酒を飲んだら思った以上に酔っぱらってしまい、お酒を飲んでいなかったベッキョンオッパが宿舎まで送ってくれた。

ふらふらの私を玄関まで連れてきてくれたオッパは、心配して玄関にわらわらと集まってくるメンバーを見て、「A愛されてんなー」と頭をなでて帰っていった。