クリスマスバイトの人いるよね。 ページ9
｢おーい！シル！これ運んでおくれ！｣
｢はーい！わかりました！｣
賭博爆死事変から一気に数十年経ち、俺は相変わらず子供などに文字や計算を教えつつ、そこのスラムで生きていた。
長く生きて思ったが、この体、以上に時間が経つのが早い。知らないうちにどんどん周りの人が老けていく。
俺だけ成長しないのはさすがに怪しまれるので、そこらや主人を転々としつつ姿を変えていた。
ちなみに本当の姿の方は16歳である。
それに加え、シャウラ・シュバルツなんて仰々しくも忌々しい悪魔きっての名家の苗字は、自分を縛るだけの無意味なものなので、場合によっては使い分けるが、ここではシルという名を使っている。
こうやって汗水垂らしてお店で働いて金を稼ぐのは中々楽しいことだが、この街では貯金をしてもさほど意味がなく、宵越しの金は持たねぇ江戸っ子気質なので、酒やらタバコやらギャンブルやらで給料は消えていった…。
今日は何故かしらお客が多い日だから、あちらこちらをくるくる回り続け、一息ついた頃には厨房で思わず座り込んでしまった。
｢てんちょぉー。なんで今日こんなにお客さん多いんですか…。｣
｢えぇ！？知らないのかい？？？｣
｢何を？｣
｢今日はねぇ、王都で数年に一度の皇子誕生祭だから、こんな所まで人が祝いあって、みんなめでたいめでたいっつって、祭りを皮に着た、お酒飲み放題、遊び放題、やり放題のパレードだよ！！｣
｢は？！？？世間がそんな日に俺こき使われてたってこと？？？｣
｢そうだよ。だから今日の日のために自分の代わりのバイトを探してた従業員が沢山いたじゃないか。｣
｢あれってそういうことだったんか！！｣
うわぁー納得納得という顔をしていると店長に半分飽きられたような目をされた。
｢ま、夕方からは王都で集まって祭りをするから、こっちの人手は足りてる。今から行ってきてもいいよ｣
｢えっ本当ですか！？｣
鼻息荒く、店主の両手をガっと掴むと、すぐに払いのけられ、シッシッと手でやられる。
つれないのー。と思いつつもすぐに目的地へ向かった。
王都の周りは大きな砂漠やらオアシスやらがあって、かなり乾燥た熱い気候で皆肌が黒いが、俺はそこから浮いて真っ白なので珍しいのか好奇の目線を向けられることがよくあった。
しかも、白いとなよなよしく見られるらしい。
例えばそう、こんな風に。
｢おい、ニーチャン、金よこせよ。ほら、そこでジャンプしてみろよ！！！！！！｣
いつの時代のヤンキーすか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふねぬい(プロフ) - 虚さん» いや〜ん…告白されちゃった(照れ)次作は案練り中！コメントありがとうございます！ (2020年8月6日 0時) (
レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
ふねぬい(プロフ) - アカバさん» 応援＆コメントありがとうございます！続きは模索中です！ (2020年8月6日 0時) (レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 好きですっ！お気に入り失礼しますっ！更新気長に待ってますっ！ (2020年8月5日 23時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
アカバ - 初コメ失礼します！面白いです！応援しています。頑張って下さい！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 25e6345673 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふねぬい | 作成日時：2020年7月5日 23時
