Dracula La＊４

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「ねぇ、なんで来れないの？」




バイト中、不満そうな口調で受付に来る洋平さん。



「理由が分かんないから納得できない。


他のメンバーは正月だからとか、俺が距離感近いからとか言ってくるけど」






…えっ…待って。

正月とか距離感近いとか、これは確実にあのお三方にバレちゃってる…。



…それなら尚更、洋平さんだけにはバレたくない。






「…お客様がいらっしゃったので、そろそろスタジオ戻ってください！」




「はぁ、分かったよ…」




洋平さんはまだ不満そうな表情をしていたけど。


こればっかりはしょうがないんです…






.






「お疲れ様でした！」

なんとか仕事を終え、次のバイトの子に引き継ぎをしてスタジオを出ると






いきなり誰かにぐいっと腕を引かれて



「あっ…」




「捕まえた」




「よ、洋平さん…！？」


30分前には帰ったはずの洋平さんが、私を抱きしめていた。




「ん？なに」


なに、じゃなくて！



スタジオのすぐ前で洋平さんと抱き合ってるだなんて色々まずい状況なわけで。





「なんでいるんですか？」




「…だって、納得いかないんだもん」



…納得いかないんだもんって…

洋平さん可愛い…





…って、何言ってるんだ私。

それどころじゃないのに！




「離してください！」

と藻掻いてみても



「昨日なんであんなこと言ったのか説明してくれるまで離さない」

とさらにぎゅっと抱きしめられてしまった。




「誰かに見られたら…」




「別に俺はかまわないけど」









…これは、言わないと本当に離してくれなさそう…






太ったから、だなんて言いたくないしバレたくない。


けど、


この状況もかなり困る。









「…分かりました。洋平さんの部屋で話します…」


さすがにこんな外で話すことじゃないし、

洋平さんが触れてこないように警戒してれば大丈夫、…たぶん。







「よっしゃ！」



洋平さんはパッと私を離したかと思ったら今度は私の手を掴んで駅の方向に歩き始めて。







ああ…本当にどうしよ。

正直に話すべきなのかな…

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