Dracula La＊４

▼25 無自覚。Mside ページ11

「雑炊の作り方教えてよ」




リハ室に入ると、洋平にまーくんまーくんと呼ばれて近づけば、真剣な表情でこんなことを言われて。




「…なんで雑炊？」




「女の子が風邪ひいてるとき食べたくなる食べ物ってググったら出てきたんだよ」


あー、つまり、それって




「…Aちゃん風邪ひいたの？」




「そうなんだよ！さすがまーくん」


…話の流れで分かるって。




「だからさ、雑炊の作り方教えて」

そんなこと、おれに聞くより検索した方が早いだろうに。




「…作り方こそ、ググればいいじゃん」




「ググるよりまーくんに教えてもらった方が美味く作れそうだから」


と、メモとシャーペンを用意して身構える洋平。




「…はぁ。しょうがないな、」


仕方なくギターを置き、洋平の隣に座って作り方を教えることにした。









「……洋平、料理できんの？」

雑炊の作り方を伝えると、満足そうにメモを見る洋平に、一番聞きたかったことを問うてみる。




「まぁなんとかなるっしょ」

…なぜか作れる気満々の洋平。


普段料理なんて滅多にしないのに。
Aちゃんのためなら出来るのか。





愛されてるなぁAちゃん。









「まーくんさっきはありがとう」



リハが終わり、片付けてると洋平にこっそり耳打ちされる。




「いや別に…それより、Aちゃん早くよくなるといいね」




「うん」




「…洋平も風邪ひくなよ」




「それ、Aにも言われた。
そんなに心配しなくても大丈夫だって」


何を根拠にそんなこと言えるのかと思ったら、




「キスしかしてねーし」







…………。








「まーくんどした？」


…今、とんでもないことを言ったという自覚は洋平にないのだろうか。




Aちゃん苦労してるんだろうな…








「…いいから、早く帰りなよ」




「…？うん、」







…さっきのは聞かなかったことにしておこう。





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久しぶりの白井さんsideです。

しれっととんでもないことを言っちゃう洋平さんと彼女に同情する白井さんでした。

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