笑った ページ7
「お前が好きだから殺さねぇの」
「なっ……」
金魚のように口をぱくぱくさせ固まったAに、居づらくなって先に歩き出した。横道にレイが見えたが俺と目が合うとそそくさと他の場所へと行った。余計に気まずく頭を掻いた。
着いて来ないのに気づいて後ろを向くと、顔を抑えてニヤニヤしていた。
何故か苛々してAの顔を叩いたが、顔を崩さずに此方を見た。
「……もう一回言って」
「は?」
一瞬意味がわからずはてなを浮かべたが、すぐに理解してなんとも言えない気分になった。
「……嫌だ」
拒否したが、Aはにやけたまま口元を抑え「もう一回」と言ってきて、さっきより強く頭を殴りそうになった。
「……好きだ」
Aを見ないようにしてボソッと呟けば一人で勝手に壁を叩いている。
「……誰が?」
にやにやしながら此方を見て訊いてくる様子はやっぱり叩きたくなる。
「Aが」
嫌々答えれば口角は更に上がって、こいつがどうして今まで無表情で居れたのか疑問でしかない。
「……もう一回」
懲りない様子に舌打ちしながら、流れ作業のように「好きだ」と言った。
「……私もぉ……」
にやけた口元を隠して下を向いたまま、嬉しそうな声で言ってきたのに、言葉を詰まらせた。
「ザックもう一回……」
我慢できなくなって思わず鎌の柄で頭を小突いた。
するとにやけ顔が消えて頭をおさえ痛みに耐えてしゃがんでいたが、その後に立ち上がってにやけ顔とはうって変わって、綺麗に三日月を描いた目に、控えめにつり上がった口角が優しく緩んだ。
「ザック好きだよ」
「……最初からそうやって笑えよ」
不満を溢しながら頭を軽く叩けば、嬉しそうに頭を抑えて笑った。
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←笑わなくなった
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梨夢(リム) - やべえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!最高すぎるザックいええええぇぇぇぇぇえい!!! (2022年7月27日 4時) (レス) @page7 id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
白玉(プロフ) - ザック尊い…辛い← (2022年4月3日 20時) (レス) @page7 id: 3b263c04f4 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - ザックーーーーー!!!!かわいすぎる〜〜〜〜〜〜!!! (2019年8月23日 15時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
シイナ(プロフ) - ザック大好きです!更新頑張ってください! (2017年8月13日 7時) (レス) id: 9000090cc3 (このIDを非表示/違反報告)
キノコ - ザックーーーーー!!!だぁいすぅきぃだーー (2016年4月9日 0時) (レス) id: 5efd4ffd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dosu123l | 作成日時:2015年11月6日 20時