ドラクエ8 ミーティア姫の大冒険 (ページ20)

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孤独な戦いページ20

ミーティアは力強くうなずいて叫んだ。
「はい！皆さん、エイト救出作戦、開始です！」
ミーティアにエイトの姿が重なった。
★★★★★
エイトはミーティア達がそんなことになっているとは全く知らず、(というか自分がどこにいるかすら知られていないと思っている)魔物とひたすら戦っていた。
竜神族の里につくと魔物はどこかへと消えてしまった。
しかも外は見張り番がいて出られない。
見張りを倒せばいいのだが、見張りを倒したらあの魔物に連絡が行くらしい。
つまり、ここで死ぬまで戦えという意味だ。
趣味の悪い魔物だなと思いながら、剣を引き抜き、戦う。
こんなところでやすやすと死ぬつもりはなかった。
もちろん仲間を呼ぶつもりも。
自分が犠牲となることでミーティアが助かるなら、皆が助かるなら、それで良いと思っている。
それでも、もう二度と会えないと思うと、悲しくなってしまうのだが。
そろそろ魔力も尽きてきた。
あと何回回復呪文を使えるだろうか。
今まではククールがいたので、魔力消費も半分ですんだが、今はそうはいかない。
しかも魔力を回復呪文だけに使うわけにはいかず、魔力を消費する特技や、攻撃呪文などを少し使うだけであっという間に消費してしまう。
息も少しあがってきてしまった。
もう何十回魔物を倒しただろうか。
エイトの父はこんなに強い魔物達と戦っていたのか。
たった一人で。
想い人の…愛する人のために。
たいしたものだなぁ、とエイトは考える。
一度でいいから、会って、話をしてみたかった。
家族三人で、一日でいいから、暮らしてみたかった。
でももしそうなったらミーティアとは出会えなかっただろう。
ヤンガスにも、ゼシカにも、ククールにも、今まで会った人々にも。
そもそも旅をしていなかっただろう。
人間とは欲深いものだ。
どちらの幸せも手に入れたいと考えてしまう。
エイトは色々考えながらはやぶさ斬りを放つ。
これは魔力消費がないため何度も出来るが、なにしろ体力を削る。
倒しきれず、避ける暇もなくさまよう亡霊五体に連続で攻撃をくらってしまい、ベホマを使おうと手を振り上げる。
しかしその手は空中に振り上げたところでピタリと静止した。
エイトは気づいた。
もう魔力が底をつきていたのだ。
エイトはすでに握力がなくなってきた手を下ろし、壁を背にしてその場に座り込む。
最期にミーティアと話をしたかったな。
最近仕事が忙しくて話せなかったから…
俺がいなくても今のミーティアなら、大丈夫だよね。