【ONE PIECE】DEAD OR ALIVE (ページ27)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:167,542 hit

026 ページ27

･

『…誰？』

いきなり背後に聞こえた声に警戒を強め、直ぐに距離をとる。顔の前に拳を持ってきてファイティングポーズをとろうとするが、それは阻まれる。

左手は顔の横にあるのだが。問題は右手だ。

何かに固定されて動かせない。
ふと胸の方を見てみると白い包帯でぐるぐる巻きにされて白い布で首にかけて支えているのが伺える。
あれ、いつの間に…？
少し眉が寄ってしまったのがわかったのだろう。目の前にいる見たことも無い男はくすくすと笑う。
顔を見たところ、髭や顔のシワが所々あったためおじさんと呼ばれるくらいのお年頃なのだろう。

｢少々怪我をしていたようでね。寝ている間に処置させてもらったよ。｣

『…ありがとうございます。』

くすくすと微笑むおじさんに警戒心が削がれ、ゆるゆると左手を降ろしお礼を言うと、何か思い出したかのようにぱっと表情が変わる。

｢そう言えば、君の背中も火傷の具合が酷くてね。一応応急処置をして包帯で巻いてあるが……、火傷跡は残るはずだ。｣

女の子なのにすまないね、と申し訳なさそうに眉を下げるおじさんに『気にしないで』と告げる。
別にあんな悲惨な現場にいたのだ。このくらいの傷跡どうってことない。
首をふるふると振りながらもう一度礼をするとおじさんの纏っていた空気が明るいものから一気に重苦しく変わる。

･