67話 ページ18
今だから言えるのですが…と男は話し始める。
「実は、貴女のことが好きだったんですよ」
私はそう言われ、柄になく照れてしまう。
誰でも好意は嬉しいものだ。
「私を救ってくれて、優しくしてくれて、お綺麗で。本当に好きでした」
実直な愛を、私は受け止めるしか出来なかった。
「…本当に伝えたかったのはこのことです。里に帰る前に言えてよかった」
男の笑みはどこか切なそうだ。
こんな顔をさせているのは私なのに、胸が苦しくなる。
『…ごめんね、気持ちに応えられなくて』
私の言葉に、男は首を横に振る。
どこまでもいい人だ。
『里で、幸せになってね？』
「はい、もちろんです…」
男は、しっかりと噛み締めるようにゆっくり頷いた。
「ですから、貴女も幸せになってください」
『え？』
男からの急な発言に、私は驚く。
一体どういう意味だろう。
私が目を瞬かせていると、楽しそうに言った。
「教祖様と祝言を挙げることになったら、ぜひ里までご報告ください」
私は耳まで熱くなるのを感じる。
童磨と婚姻を結ぶ瞬間を想像してしまったし、何より信者にもう広まっていることがたまらなく恥ずかしかった。
『なんで知ってるの…』
「はは、有名ですよ！私もちょっと半信半疑でしたけど…A様はわかりやすいですね！」
確かにわかりやすい自覚はある。
私は何も言えず黙った。
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むるち(プロフ) - 邑宇井さん» 呪いって無惨様の前でもダメなんでしたっけ…そこら辺曖昧でつい呼ばせてしまいました。訂正いたします。ご指摘ありがとうございました！ (2020年1月12日 17時) (
レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
邑宇井 - 童磨が無惨様って言っちゃってますけど大丈夫ですか???呪いとか...この作品ではスルーされる方向でしたらすみません (2020年1月12日 12時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - フランさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！口付けされた場所に関してはこめかみで間違いないです。目尻の近くです。完全に私の好みです、お気に召さなかったら申し訳ありません。 (2020年1月11日 23時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 童磨カッコイイしこの作品大好きです！あと、"こめかみ"では無く"眉間"では無いでしょうか？間違っていたらすみません (2020年1月11日 11時) (レス) id: 8ce07c13d0 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - lunaさん» コメントありがとうございます。そのように感じていただけて嬉しい限りです！マイペースで申し訳ありませんが頑張ります！ (2020年1月10日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むるち | 作成日時：2019年12月24日 23時
