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33話 ページ34

声の主を確かめるため顔を上げようとするが、手が私の頭を押さえつける。

容赦なく押さえつけてくる。
これは童磨だ。
そうでもなきゃ女の子の頭をこんな雑に押し付けたりしない。

『童磨だぁ…』
「俺は優しいから、ちゃーんと迎えに来たんだぜ」

今は圧倒的に感謝。

水柱は、童磨が只者ではないことを察したのか、じっとしているようだ。

「…あれぇ?攻撃してこないの?」

童磨は煽る。

「なーんだ、攻撃されたらこいつ盾にしようと思ったのに」

お?こいつってなんだ?
私のことだよな?
よし殺せ。水柱、童磨を殺せ。

「まあ、攻撃しないなら俺たちもう帰るよ」

男はあんまり喰いたくないし。
そう続けると、童磨は私を捕える腕を緩めた。

押さえつけられていた若干の息苦しさから解放され、ほっとしていると私は浮遊感を感じた。

『…いや待って』
「待たない。殺されるよ」

いや、ごもっともなんですけど。
これで本当に待たれたらもれなくあの水柱の色男に殺されるんですけど。

『私の逃げ足遅いからってこれはなくない?』

確かに私の逃げ足が本当に遅いことは認める。
先程もギリギリで逃げた。

童磨はもう私を抱えて走り出している。
お願い、この体勢はやめようよ。


『小脇に抱えることはないだろうがァ!!!』


姫抱きされてると思った?

残念、童磨は私に対してそんな紳士じゃない。

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むるち(プロフ) - 恋(れん)さん» コメントありがとうございます。童磨は素晴らしいと思います! (2020年1月13日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
恋(れん) - ありがとうです童磨。いいですよね! (2020年1月13日 9時) (レス) id: f613416e65 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 極色さん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です!これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 0時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
極色(プロフ) - お初にお目にかかります。この小説のテンポがとても好きです!これからも応援しています! (2019年12月22日 0時) (レス) id: 734106404b (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 七七四さん» コメントありがとうございます。そう思っていただけて光栄です。七七四様を始め応援してくださる方のおかげでここまで沢山の人に評価してもらえるようになりました。私も嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます! (2019年12月21日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むるち | 作成日時:2019年12月7日 9時

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