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Twelve ページ13

『…長居してしまいすみません』

ps「ええんやで〜また何時でも来ぃや」

立ち上がった私に
いつの間にか持ってきてあった私のカバンを
手渡してくれた
…持ってきたのはロボロかコネシマだろうか
後でお礼を言わなければ

ペ神先生にお礼を言い
帰ることを告げれば
少し眉を下げて、悲しげな目をしていた
…それが私の胸に、少しの痛みを伴った

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

校舎内に残っている人は少ないようだ
後は運動部として外に出ているか
もう下校したのだろう
昇降口は真っ暗だった
日が伸びてもまだ春である
この時間になると多少暗かった

家までは約1km、15分はかかる
お父さんとお母さんが心配しそうだ
早く帰らなければ

「……A…さん、か?」

ふと後ろから聞こえた声は
つい昨日の夕方に聞いた声だった
振り向けば、変わらず目立つ金髪の生徒会長
丁度帰るところらしい

『はい…昨日はありがとうございました』

gr「いや、そんなに賢まんでもええ…声掛けただけで何もしてないしな」

彼は何故か慌てるように
目線を忙しく動かしながら話す
昨日の入学式や、今朝の堂々とした姿とは
全く別物だった

gr「あぁ…確か家は同じ方向だろう?夜道は危険だし…送っていこう」

…そうだったな
同じ方向、というのが言い逃れできない
あまり生徒会長とは帰りたくなかった
…ファンが過激だからだ
どうしたものかと考えても
私が家へと向かえば彼も同じ方向なのだ
仕方ないのか…
はっきりと言ってはおこう

『…分かりましたが…誤解は招きたくありません』

gr「あぁ…それは俺も理解している。裏道を通ろう。俺も何度もストーカーにあったからな…」

あぁ…彼もやはり苦労しているのか
私もストーカー被害の経験が無い訳では無い
何度警察沙汰になったか…
今まで何も無かったのが奇跡だ

『すみません』

gr「さぁ、行こうか」

…思ったのだが
彼は何故、昨日会ったばかりの私と
帰ることを許したのだろうか

今朝の人混みの中心を歩く彼は
異性を毛嫌いするような表情だった
それなのに、私と目が合うなり笑顔を向けたり
こうやって共に下校もする
…彼とどこかで会っているのだろうか
幼少期のことはこと細かく覚えているため
そうとは思えない

もしや
この心の何か足りないものが
関係しているのだろうか
そうなら…私は16年間悩んだ問題に
終止符が打たれるのだろうか

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(プロフ) - しおりんさん» 続編に行きますのでそこで書かせてもらいまっす! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます!リクエスト…!大歓迎です!良いですね…書かせていただきます! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - リクエストってOKですか???OKだったら泣いてるところを、見られた的なものを書いてほしいです。 (2020年3月5日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - Twitter見たゼ!!!キラーン(*^-^) (2020年3月5日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルバートさん» 誰かと一緒にドイツ……いいですねぇ…私もチャンピョン帰りの車で一瞬で読みましたよ!ほんと、もう、tn可愛かった! (2020年1月28日 6時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年10月15日 3時

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