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「娘さんよ事があって燈台は残り、俺達は命を救われたって事か…」
「この旅の途中で、見つけ出せたらいいんだけどね」
「そうだな。となれば…この娘さんの写真、一枚借りて行ってもいいか？」
何故？という顔をしている御夫婦に、娘さんを見掛けたら此処の事を伝えると言えば、泣きながら宜しくお願いしますと頼まれた。これは益々見つけ出してあげたいなと思った。
「杉元くん何してるの？」
「代わりにこの写真を代わりに入れとこうと思って。アシリパさんが此処に来たら、俺達が生きてるって分かるだろうから」
そうして額縁には前に杉元くんとおふざけで撮った変顔写真を入れていた。…よりにもよって何でその写真なんだ。
結局吹雪は明け方まで止まず、一晩過ごさせて頂いた。
治った橇に荷物を積んで、お世話になった御夫婦に感謝の言葉を伝えると、御夫婦が私と杉元くんの手をぎゅうと握り締め、何かを言っている。
ロシア語で分からないが、多分娘を見つけ出して下さい的な事を言っているのが分かった。
「オイ杉元…」
「分かってるよ！行く先々で聞いて回るくらいは負担にならないだろ？本来の目的が最優先だが、何も恩返しせずにサヨナラはできねえよ」
こうして私達は猛吹雪を乗り越えて、再びアシリパちゃんを探す為に犬橇に乗り込んだ。
そして私達は今、国境から約百四十キロの距離にある樺太アイヌの集落に滞在中だ。
各々手分けしてアシリパちゃんと燈台の娘さん…スヴェトラーナさんの情報を探して聴き込みをしている。
「そっちはどうだ？」
「ダメ。皆知らないって…そっちは？」
「こっちもだ。もしかしたら、此処には来てないのかも」
此処まで誰も知らないとなると、杉元くんの言う通りかもしれない。
日も暮れて来たので、一旦お世話になっているチセに戻る事にした。
「チカパシ聞いて。こないだこの村、メコオヤシ出たって」
「何それ怖いやつ！？」
「プーの周りに足跡いっぱいあったって！樺太アイヌの昔話に出てくる猫の化け物。浜に荷物全部置いて仕事してたら、メコオヤシが追いかけてきたの！舟に乗って逃げたら浜にいっぱいメコオヤシ出て来て、こっち睨んで皆んなで鳴いてたって！毛皮に赤と白のブチがある、犬みたいに大きな猫」
猫ちゃんのポーズをしながら話すエノノカちゃんに、怖いと怯えるチカパシくん。
可愛い二人に癒されていると、月島さんがオオヤマネコだなと言った。
「ふん…尾形百之助じゃないのか？いよいよ奴等に追い付いたか」
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カピバラ(プロフ) - なっちゃんさん» コメありがとうございます！ドキドキして頂けたのなら良かったです！もどかしい展開をしていければと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します。 (2023年4月4日 23時) (
レス) id: 6c01959b81 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 女主ちゃんと軍曹の絡み毎回楽しいです。ドキドキキュンします！軍曹なんて言おうとしたの〜><！！ (2023年4月4日 12時) (レス) @page41 id: f79473b3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2023年2月22日 3時
