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旅館に着けば、案の定杉元くんが遅いから心配したんだよ！？と駆け寄って来た。
良かった、ギクシャクするかなと思ったけど案外普通で、先程の会話についてはお互い一切触れる事は無かった。
翌日、犬橇を用意している時にリュウくんがエノノカちゃんの所のわんちゃんをジッと見詰めていた。
「リュウくんどうしたの？…もしかして、犬橇の先頭をやりたいのかな？」
視線を辿れば、先頭のわんちゃんが頭に付けている“セタキラウ”をジッと見詰めているのが分かり、羨ましいのかな？とよしよしと撫でる。
確かもう少ししたらエノノカちゃんの所のコタンに着く筈だし、エノノカちゃんに一度だけで良いからリュウくんを犬橇の先頭犬にさせて貰えないかと問い掛ければ、快く承諾してくれた。
頭にセタキラウを付けたリュウくんは心無しかキリッとしていて、とても嬉しそうだし、実際先頭で走っても見事な走りを見せてくれていて、あっという間にエノノカちゃんの所のコタンに到着した。
「リュウ、イソホセタとしてやってけるよ！」
「本当！？やったねリュウくん！」
エノノカちゃんからのお墨付きを貰い、賢い子だもんね！とワシャワシャと撫で回してやれば、引き千切れそうなぐらいに尻尾をブンブンと振っている。
「先頭犬になれる様な良い犬は他の犬より特別扱いで、飼い主と家の中で一緒に寝起きするんだそうだ」
「だとしたら今の私達と一緒に居るよりは、此処に居た方が幸せかもしれないね…」
「そうだな」
アシリパちゃんとリュウくんを撫でながらしんみりしていれば、近くで話を聞いていた白石くんや谷垣さんも同意するので、エノノカちゃんにリュウくんを引き取って貰えるかどうか問い掛ければ、大丈夫だよと頷いてくれた。
出発の準備が終わり、皆にリュウくんの件について話せば揉みくちゃにしながら撫で回しながら、リュウくんとのお別れの挨拶をした。
リュウくんには沢山お世話になったし、離れるのは正直悲しいけれど、この先の事を考えるとやはり此処に残るべきなのだと思った。
「通り掛かりの馬橇が大泊まで行くらしいので、乗せてもらえる様頼んだ。ヘンケとエノノカとは此処で別れる」
「あ、そっか…そうなりますね」
姿が見えないなと思っていた月島さんは、どうやらこれから先の手配をしてくれていた様だ。流石月島さん、行動が早い。
エノノカちゃん達にその事を話せば、スンスンと泣きながらも鯉登くんから約束のお金を貰って、ペチペチと数えていた。
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カピバラ(プロフ) - なっちゃんさん» コメありがとうございます！ドキドキして頂けたのなら良かったです！もどかしい展開をしていければと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します。 (2023年4月4日 23時) (
レス) id: 6c01959b81 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 女主ちゃんと軍曹の絡み毎回楽しいです。ドキドキキュンします！軍曹なんて言おうとしたの〜><！！ (2023年4月4日 12時) (レス) @page41 id: f79473b3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2023年2月22日 3時
