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どうやらアシリパちゃんはこの男性に心当たりがあるらしく、国境でキロランケニシパを待ち伏せていたロシア兵の一人だろうと言った。
となると、私達に発砲して来たのは似顔絵から察するに、アシリパちゃんと白石くんが居たからだろう。
月島さんがロシア語で彼に、キロランケニシパの事と尾形さんの事についてを説明してくれたのだが、彼はフンフンと頷くだけで言葉を発しない。
無口な人なのだろう、頷いてはいるから理解はしてくれているとは思う。
私達を狙撃して来た理由も分かり和解も出来たので、遅くなってしまったがやっと出発をする事が出来そうだ。
「それにしても、特徴を捉えてて良く描けてる。あの…もし宜しければ、この似顔絵を頂いても良いですか？」
彼の描いたアシリパちゃんや白石くん、キロランケニシパと尾形さんの似顔絵を見ながら彼に伝えるも、小首を傾げるだけで伝わらなかった。そうだ、ロシア語じゃなくちゃ伝わらないんだった。
それを見かねた月島さんが、私の言いたい事を通訳してくれた。
彼は再び頷いたかと思えば、似顔絵を差し出して来た。
「良いんですか！？ありがとうございます、えっと…お名前は…」
差し出された似顔絵を有り難く受け取っていると、月島さんが私の言葉を通訳してくれた様で、紙に何かを書き始めた。
何だろう？と覗き込んで見れば、ロシア語が連なっていたので、チラリと月島さんの方を見れば、これは彼の名前だと教えてくれた。
「名前はヴァシリ・パヴリチェンコと言うらしい」
「成る程！ヴァシリさん、ありがとうございます、大切にしますね！」
ニコリと笑って伝えれば、ヴァシリさんは私の事をジッと見詰めた後、再び紙に何かを書き始めたので不思議に思っていれば、書き終わったものを月島さんに見せている。
月島さんは面倒くさそうに其れを見てから、何かをヴァシリさんに伝えていると、口元を覆っていた布をペラリと巻くって見せた。
チラリと見えたが、彼の頬には大きな傷が有るのが見えた。
「どうやら此奴は尾形に撃たれて話せなくなってしまったらしい」
「だから筆談だった訳ですね」
「それと、此奴はお前の事が気になっている様で、それを差し出す代わりにお前の似顔絵を描いて良いかと聞いている」
何故私の似顔絵を？と不思議に思いヴァシリさんの方を見れば、キラキラとした瞳と目が合い、断る理由も無いので私で良ければと頷いて見せれば、彼はフンフンと嬉しそうにしながら、私達の両手を握り締めた。
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カピバラ(プロフ) - なっちゃんさん» コメありがとうございます！ドキドキして頂けたのなら良かったです！もどかしい展開をしていければと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します。 (2023年4月4日 23時) (
レス) id: 6c01959b81 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 女主ちゃんと軍曹の絡み毎回楽しいです。ドキドキキュンします！軍曹なんて言おうとしたの〜><！！ (2023年4月4日 12時) (レス) @page41 id: f79473b3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2023年2月22日 3時
