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更に吹雪が強くなり、遂に鯉登くん達の姿が見えなくなってしまった。
「リュウ、何やったんだ！列から外れるな！」
「杉元くんどうしたの！？」
「リュウが列から外れて走るんだ！リュウに橇引かせるなんざ、やっぱり向いて無かったんだよ！此奴は猟犬だッ！」
どうやらリュウくんが列から外れて走ってしまうらしく、仕切りに杉元くんが戻れと指示を出している。
それに対して、何か理由があるんじゃないかと谷垣さんは言った。一体如何してしまったのだろうか…
すると、風の音に紛れて微かにタァーンという銃声が聞こえた。
「杉元くん止まって！」
「今の銃声じゃないか！？」
「もしかして逸れた！？銃声はどっちから聞こえた？」
「多分あっちだよ！」
橇を止めて、チカパシくんが指差す方を向いて谷垣さんが上空に向けて発砲した。
返答があるか暫く耳を傾けるが、風の音が強過ぎてか聞き取る事が出来ず、このまま此処でジッとしていては此方が危険だと判断し、何処かに避難する事にした。
けれど、何処を見渡しても一面の雪景色でしか無くて、そろそろ身の危険を感じるし、風の音に混じって波の音も聞こえて来た。
「何だよ、海岸に出ちまったのか？まずい…何とかしないと死ぬぞ…！取り敢えず、此処で風を凌げるぐらいの穴を掘る！Aはチカパシを頼んだぞ！」
「分かった！」
ぎゅうとチカパシくんを包み込み、大丈夫だよと声をかける。
杉元くんと谷垣さんがザクザクと穴を掘り始るものの地面ですら凍っているらしく、理想的な深さの半分にも満たない浅さで凌ぐしかなさそうだ。
「橇を壊せ！薪にするぞ！」
穴の周りに荷物を重ねて高さを作っている間に、谷垣さんが木片に火を着ける。
しかし火が着いたのを確認した途端、谷垣さんがザッとせっかく着いた焚き火に土を掛け始めた。
「おい何やってんだ！？どうして消すんだ！」
「橇一台分の薪なんてあっという間に燃え尽きる。だが、埋めれば土の中でゆっくり燃えるんだ！この上で横になれば少しは長く暖まれる！」
「流石マタギの谷垣さんだぜ！」
けれどやはりそれだけでは寒さは凌げないと察した谷垣さんが、わんちゃん達を呼んで私達の上に乗るように指示をする。確かにこれなら多少は暖かい。
谷垣さんと杉元くんの間にチカパシくんを抱き締めながら収まれば、確かにほんの少しだけ寒さが和らいだ。
全く止む気配がしないけど、大丈夫かな？
谷垣さんがモゾモゾと動いたかと思えば、何やら白い物を差し出してきた。
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カピバラ(プロフ) - なっちゃんさん» コメありがとうございます！ドキドキして頂けたのなら良かったです！もどかしい展開をしていければと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します。 (2023年4月4日 23時) (
レス) id: 6c01959b81 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 女主ちゃんと軍曹の絡み毎回楽しいです。ドキドキキュンします！軍曹なんて言おうとしたの〜><！！ (2023年4月4日 12時) (レス) @page41 id: f79473b3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2023年2月22日 3時
