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「あれって亜港？」
「ああ。やっと着いたな」
あれから暫く移動を続けた私達は、遂に亜港にたどり着いた。
少し離れた小高い丘から街を見渡しながら、此処からでは見える筈が無いと分かっていてもアシリパちゃんを探してしまう。
すると、ドンッという鈍い爆発音と共に、遠くの方から煙が上がったのが見えた。
「何か爆発したぞ」
「あの煙の所かな？」
月島さんがそう眼鏡で其方を見れば、どうやら爆発した所が亜港監獄だと言う。
亜港監獄での爆発…もしかしたらキロランケニシパの仕業だったりするのかな？
そうなれば、アシリパちゃんが目と鼻の先に居る事は確実だろう。
私達は急いで亜港監獄へと向かった。
亜港監獄に近付くにつれ、再び爆発音と銃声が聞こえていたが目の前に着いた頃には治っていて、監獄を囲っている木造の塀の一部が吹き飛んだ様な大きな穴が開いており、中が丸見えの状態だった。
「キロランケが爆破して囚人を逃したんだ」
「一歩遅かったが、奴等は近いぞ」
「そうだ！杉元くん、アシリパちゃんの匂いをリュウくんに探して貰えば良いんじゃない？」
「成る程確かに！」
そう言って杉元くんはアシリパちゃんのマキリを取り出すと、どうだ？とリュウくんに嗅がせれば、亜港監獄の先に有る流氷の方を見ながらソワソワとしている。
「おいおい…流氷の上を逃げたと言うんじゃなかろうな？」
「リュウがあっちと言うなら、俺は信じるぜ」
「リュウくんは賢い子だもんね」
わしゃわしゃとリュウくんを撫でながら、流氷の上だろうと何だろうと私達は進むよと伝える。
「ワーッ！？」
「どうしたんだ、お前達…うわうッ！？」
突然叫び声を上げた子供達と谷垣さんの方を向けば、大きな虎が穴の中から此方を見ているではないか。
「虎！？」
「何でこんな所に！？可愛いけど！」
「言ってる場合かッ！」
刺激しない様、ゆっくりと動いて子供達を背後に隠すと、虎が物凄い声を上げながら威嚇をして来て思わず怯んでしまうが、月島さんと谷垣さんが素早く銃を向けて発砲した。
嘘でしょ！？と虎の心配をしたが幸い虎には当たらず、驚いた虎はサッと何処かへと走り去ってしまった。
「あの虎、何処から来たんだろう…アシリパちゃん大丈夫だったかな？」
「もしかしたら、アシリパさんに喰われそうになったから逃げてたのかもしれないよ？」
「それあるかも」
杉元くんの言った事が簡単に想像出来て、思わず笑みが溢れた。
アシリパちゃんとの再会まで、後少し。
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カピバラ(プロフ) - なっちゃんさん» コメありがとうございます！ドキドキして頂けたのなら良かったです！もどかしい展開をしていければと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します。 (2023年4月4日 23時) (
レス) id: 6c01959b81 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 女主ちゃんと軍曹の絡み毎回楽しいです。ドキドキキュンします！軍曹なんて言おうとしたの〜><！！ (2023年4月4日 12時) (レス) @page41 id: f79473b3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2023年2月22日 3時
