糸師凛の記憶2 ページ10
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みるみる内に青ざめていく凛に、Aは小さく唇を噛んだ。
『……っバレ、ちゃったんだ……』
その呟きに、自分の予想が的中していたことを嫌が応にも知らされた。
『……ごめんね。凛くんにはバレたくなかったんだけど………』
『……っ、分かってる！！お前が、お前が優しいヤツだってことぐらい……』
でも、なんで。どうして。凛は目を見張る幼馴染に向かって叫んでいた。
『なんで教えてくれなかったんだよ……！』
今思えば子供の八つ当たりだった。頼られない悔しさと、自分のせいで幼馴染が虐められていたという事実。
そんなのがごっちゃになって、凛の胸中は荒れ狂っていた。
そんな凛に、少女はそっと微笑みかけた。
『───ごめんね、凛くん。嫌なもの見せちゃって』
その瞬間、凛は彼女に背を向けて駆け出した。背後からの引き止めるような声を振り切り、通学路を無心で駆け抜ける。
そうして、家へと辿り着いた凛は。
『うっ……ふっ、ひぐっ、ぅう……！！』
その暴れる感情のまま、瞳から涙をこぼした。
知らなかった。幼馴染があそこまで痛めつけられていたなんて。大切だったのに。
自分の外見じゃなく、中身を見て、一緒にいてくれていたときからずっと………
──凛が彼女と親しくするのはもう終わりだ。だって知ってしまったのだから。知らない前には、もう戻れないから。
──その日から、凛は話しかけようとしてくるAを徹底的に無視した。
彼女の沈んだ表情を見る度、身を引き裂かれるような痛みを覚えたが、あの日の彼女の泣き顔が胸に焼き付いて離れなかった。
自分が彼女から遠ざかることで虐めが無くなるのであれば、それでよかったのだ。
数週間もすれば、Aは凛に話しかけてこなくなった。
無論その後数ヶ月はチラチラと物言いたげな視線を感じていたが、それも気にしないフリをして反応しなかった。
兄にも両親にもどうしたのかと問われたが、凛が答えることは無かった。
───自分のせいで幼馴染が虐められていたというのが怖かった。
あの優しい少女がこれ以上傷つかないように。その思い出は、色褪せることなく凛の胸に残っている。
──自分は一生その思いを抱えながら、淡い初恋に蓋をして生きていこうと、そう決めていたのに。
「なんで、アイツがここに……！」
凛の目線の先、髪を靡かせ微笑む1人の少女の姿があった。
突如として“青の監獄”のマネージャーに就任した彼女に、凛の心は掻き乱され始めるのだが………
それはまた、もう少し後の話である。
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まったり団子 - ｳｯｳｯ･･･最高だ･･･特に糸師兄弟が揃いも揃って盛大に勘違いしてるのが･･･これからも読ませてください！お願いします！ (2月24日 20時) (
レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 結葉さん» ありがとうございますーー！🥹これからも応援してくれたら嬉しいです (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - あいらさん» 返信遅れて申し訳ないです😭冴はもうすぐ出てきたますので、是非お待ち下さい！ (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 更新待ってます”！！！！！！！！ (10月12日 10時) (レス) @page31 id: 119a923417 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - このお話が大好きです！早くカイザーやネス、冴に会ってメロメロにしてほしいです！ (10月12日 5時) (レス) @page32 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずき | 作成日時：2023年1月29日 21時
