脱出口へと ページ25
帝統や理鶯さんがあの時言っていた通りだ…このマイクを通した瞬間、言葉が…本当に人を傷つける威力を持つ兵器と化していた。
こんなものが世の中に沢山存在して、今の社会を大きく動かしているのかと思うと…
幻「Aさん」
「あ…」
幻「全く…何考えていたか分かりませんが、ここで立ち尽くしていたらタヒんでしまいますよ?」
「( ゚д゚)ハッ!そうだった!」
幻太郎さんの声で現実に呼び戻され、再び玄関に向かって走り出した。
昨日よく眠れなかったのかな…なんか体が重くなってきてるように感じる…
しかし今はそんなことを気にしている暇など無い。一刻も早く、このアパートから出なくては行けないのだから…
幻「Aさん、見えてきましたよ…!」
「あ…本当だ…!」
玄関を見つけてからというもの、前で走る幻太郎さんの動きがさらに速度を増した。
私もそれに合わせようとするが、もう既に限界なのか、中々追いつくことが出来ない。それどころか先程まで余裕で保てていたペースが保てなくなって来ているのだ。
幻「Aさん!」
もうすでに目の前に入口があるのに、幻太郎さんは遅れている私を気遣ってかこちらを振り向き待っていてくれた。
火事の現状は悪化していくばかりで、こうしているうちにも火元はものすごい勢いでこちら側に来ている。
黒い煙が、まるで私達を尾行するかのように後ろから迫っている。
そうわかっているのに、体が上手く動いてくれない。
あと一歩で2人で脱出出来る―その時だった。
「!!?」
後ろの方から物凄い爆音が押し寄せ、熱風に煽られた私の身体はいとも簡単に前へと吹き飛んだ。
幻「Aさん!!!!」
ははは…もう少しだったのになぁ…
身体が…重力に反って落ちていく。私やっぱタヒぬのかな…
最後に見えたのは、必死に私に手を伸ばした幻太郎さんと、扉から溢れ出るやけに鮮やかな外の景色だった―
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ブドウ紙パック(プロフ) - amroさん» コメントとご指摘ありがとうございます!理鶯さん推しにそう言って貰えてとても嬉しいです! (2020年5月11日 11時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。理鶯推しなのでタイトルに釣られて読んでいたら面白くて一気見してしまいました。描写が分かりやすいため読みやすかったです!更新楽しみにしています!(30pの左馬刻の名字が青棺になってました)応援しています! (2020年5月11日 2時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - 黒髪さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2020年5月7日 16時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - この作品とても好きです……更新頑張ってください! (2020年5月7日 16時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - ハマにハマるさん» ありがとうございます!コロナに負けぬよう頑張って行きましょう! (2020年5月6日 0時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブドウ紙パック | 作成日時:2020年4月23日 23時