phantom ページ23
衝撃がきたと同時に、私はケトルの湯を被らないようにとすかさずその場を離れた。
熱湯回避には成功したものの、その揺れを感知した報知器のサイレンが鳴り止むことはない。
幻「危機一髪でしたねぇ…」
「本当、今のは危なかった…」
そう言葉を交わしつつ、再び衝撃などが来ないようにと私達は警戒した。
なり続けていたサイレンがブツっと切れ、代わりに管理人であろう人からのアナウンスがかかった。
管理人「只今、1階にて暴走車による衝突が発生し、火災が起きております!皆さんは速やかに避難して下さい!」
は!!?火災発生!!?
「嘘…」
幻「嘘だったらどんなに良かったことか…とにかく早く外に出ましょう。」
「は、はい!」
何故そんなに冷静…
私の住むアパートは玄関が2つあり、1つは私の部屋のすぐ近くにあるのだが、車が衝突したとこがその付近だった事が判明。このまま行くと火事に巻き込まれるので遠回りして別の玄関から避難することに。
私は慌てて先程まで抱えていた鞄を取り、靴を履き、幻太郎さんと一緒に玄関を目指して走った。
「ハアっ…ハアっ…」
玄関に向かっている途中、1人の男がこちらの方向に歩いてくるのを見つけた。手にはなにかマイクらしきものを握っている。まさか、あの人が…
「幻太郎さん、あの人…!」
幻「ええ、恐らく今回のテロに関わっているでしょうね…」
すると男は予想通り逃げることなくマイクを起動させ、此方へと距離を詰めてきた。ギュインという音と同時に、男の後ろにはオブジェのようなものが浮かび上がった。
幻「Aさん、下がってください…マイクを構えられては、小生もバトルに挑むしかありません…」
そう言って幻太郎さんもマイクを取り出し起動させる。幻太郎さんの後ろにも、男と同じようにオブジェのようなものが浮かび上がった。
「幻太郎さん…」
幻「大丈夫です…小生、こう見えてちゃんとラップできますので。」
そう言って幻太郎さんは、まるで小説を書きあげていくかのようにビートに合わせ言葉をつむぎ始めた。
その言葉の一つ一つが、強力な攻撃となってお互いにダメージを与えていく。
幻太郎さんも相手の攻撃を受け少し狼狽えていたものの、相手に攻撃をするのを辞めることは無かった。
そしてとうとう、オトコはボロボロの状態で意識を失いその場で崩れ落ちた。
「これが…ヒプノシスマイク…」
言葉で殴り合う光景を前にした私は、ただ呆然と立ちつくすことしか出来なかった−
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ブドウ紙パック(プロフ) - amroさん» コメントとご指摘ありがとうございます!理鶯さん推しにそう言って貰えてとても嬉しいです! (2020年5月11日 11時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。理鶯推しなのでタイトルに釣られて読んでいたら面白くて一気見してしまいました。描写が分かりやすいため読みやすかったです!更新楽しみにしています!(30pの左馬刻の名字が青棺になってました)応援しています! (2020年5月11日 2時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - 黒髪さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2020年5月7日 16時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - この作品とても好きです……更新頑張ってください! (2020年5月7日 16時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - ハマにハマるさん» ありがとうございます!コロナに負けぬよう頑張って行きましょう! (2020年5月6日 0時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブドウ紙パック | 作成日時:2020年4月23日 23時