賭ける男 ページ22
こうして1度、幻太郎さんを護衛として家に入れるをこと条件に、私は家に帰ることを許された。
さ
家に向かっている間、組織の人に遭遇したりすることも無く無事に家に帰ることが出来た。
｢狭くて汚いですが…｣
幻｢お邪魔します｣
幻太郎さんを入れたあと、念の為荒らされていたりする痕跡がないか一通りチェック。何も無かったことを確認し、お茶を入れようとお湯を沸かそうとしていた時であった。
幻｢Aさんは昨日、帝統とヨコハマの山で一夜を明かしたと、乱数から聞きましたよ？｣
｢なんか言い方がおかしくないですか…帝統が偶然同じ公園にいた私に目をつけて、うまい飯食えるとこがあるって言って無理やりヨコハマから歩いて理鶯さんのベースキャンプに泊めてもらったんです。｣
幻｢成程…そんな事が｣
そう言いながらウンウンと頷く幻太郎さん。もしかして帝統が世話になってるって言ってた人は幻太郎さんだったのだろうか。
幻｢帝統ったら、ギャンブルで金を切らすとすぐ小生の所に転がり込んで来てたんです。それが知らぬ間にヨコハマに行ってあの軍人の世話になっていただなんて聞いた時は、それはもう驚きましたよ…｣
｢まあ、普通は驚きますよね…ハハ…｣
まあそれについて行った私も私なのだが。
そういえばどうして帝統は家を持っていないのだろうか…幻太郎さんなら知っているかも？
すると幻太郎さんはさらに静かな声で話し始めた。
幻｢…彼はいつもサイを振って物事を決めるんです。小生達が仲間にならないかと決断を迫った時も、サイを振って決める程でした。｣
｢へぇ…サイコロで…｣
幻｢本来ならばギャンブルを続ける為に断ることもできた筈なのに、アイツは自分の歩み方すら小さなサイに賭けたんです。…世間から見たら何も考えていない奴だと思われますよね。｣
幻｢しかし、小生はそいつを馬鹿な奴だとは思わない。それほど夢中なものに全てを賭けることができる人って、あまりいないと思いますし。｣
幻｢…だから、実を言うと小生もアイツに賭けているんです。乱数が作ろうとしているオモシロイ世界の為にも、そして、小生の夢の為にも…｣
この人も、全て帝統に賭けているんだね。
｢…とても、素敵だと思います。｣
その言葉を口にした瞬間、心の中に霧がかかっていくような気がした。そう、これはきっと―
そう思ったのもつかの間、突如として下の方から突き上げられたような衝撃と、聞き覚えの無い音が部屋に響き渡った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブドウ紙パック(プロフ) - amroさん» コメントとご指摘ありがとうございます！理鶯さん推しにそう言って貰えてとても嬉しいです！ (2020年5月11日 11時) (
レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。理鶯推しなのでタイトルに釣られて読んでいたら面白くて一気見してしまいました。描写が分かりやすいため読みやすかったです！更新楽しみにしています！（30pの左馬刻の名字が青棺になってました）応援しています！ (2020年5月11日 2時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - 黒髪さん» ありがとうございます！これからも頑張っていきます！ (2020年5月7日 16時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - この作品とても好きです……更新頑張ってください！ (2020年5月7日 16時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ紙パック(プロフ) - ハマにハマるさん» ありがとうございます！コロナに負けぬよう頑張って行きましょう！ (2020年5月6日 0時) (レス) id: 297b771243 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブドウ紙パック | 作成日時：2020年4月23日 23時
