鬼が二十四匹 ページ27
A side
A「松陽?って言うの?」
松陽「はい。吉田松陽といいます。」
A「松陽………フフフッ!」
松陽「面白い名前でしたか?」
A「ううん!人間の名前を呼ぶのは初めてだったから!私たち鬼は人間のお友達ができないの!だから嬉しい!」
銀時「A!」
その時は銀時に、「正体バラしてんじゃねェ!」って怒られましたが、松陽は最初から気づいてたらしいです。
前に聞いた事がありました。「怖くないの?」と。
そしたら松陽は、「可愛いらしい鬼、という印象でしたよ。」って私と銀時の頭に手を乗せたんです。
すごくあったかい手でした。
初めて感じる温もりでした。
銀時も次第に心を開いていき、私たちにとって松陽は価値観を変えてくれた人間だったのです。
また、前髪や横髪で角を隠すやり方も松陽に教わり、知らない事をたくさん教えてくれた松陽は親同然の存在でした。
ちなみに今私が敬語なのは、松陽のが移ったからです。松陽大好きですから。
ですが、いつまでも「鬼」というのは隠しきれず、
村の人間にバレてしまいました。
松陽まで悪者にされれば恩を仇で返してしまうので、松陽に別れの言葉を言うこともなくその村を立ち去りました。
そして前に話していた通り、
私は銀時に泣きついたというわけです。
大好きな人との別れはとても辛いですからね。
しかもお別れを言えずに。
あれから何十年と時が過ぎています。
だから松陽がどうなっているのかは知るよしもないですし、もう二度と同じ村や町は訪れませんので。
*
A「松陽………覚えてますか?
私と銀時の事…………」
松陽と出会った事で私は人里へ行くようになり、鬼とバレる度に大怪我していますがやめようとは思いませんでした。だってそのおかげで高杉さんと出会ったわけですから。
ねェ松陽、私、人間の友達ができたんですよ。
その人はきっと鬼を受け入れてはくれないでしょうけど、とても優しいんです。
私たちを拾ってくれてありがとうございました。
感謝してもしきれないくらいです。
A「…お別れなんてこなければいいのに……」
それも人生だと諦めていましたが、
でもやっぱり嫌なものは嫌なんです。
鬼だって…………寂しん坊はいるんです…
お別れを嫌う鬼だって……ここにいるんです。
人間と変わらない心を持つ鬼は、
少なくとも一人ここにいます。
A「会いたいです……………高杉さん…」
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高杉るな - ありがとうございます!(?)イラスト集も見させてもらいました!!受験、頑張ってください!いや、もう頑張ってますね♪ (2017年12月1日 20時) (レス) id: 264bb20a3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬめーん - 高杉るなさん» わっかりました!!本編でやるのは苦しいかもしれないので、番外編で書かせていただきます!リクエストありがとうございます!! (2017年12月1日 9時) (レス) id: 4f270715fd (このIDを非表示/違反報告)
高杉るな - ぬめーんさん» やっていただいて、ありがとうございます!次からつぎへと申し訳ないんですが、今度夢主と晋助様でお祭り、お願いできますか? (2017年12月1日 8時) (レス) id: 264bb20a3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬめーん - 高杉るなさん» なるほど!新たに出してみますか!ありがとうございます!!やってみます! (2017年11月30日 20時) (レス) id: 4f270715fd (このIDを非表示/違反報告)
高杉るな - ぬめーんさん» リク..みたいなものなんですけど、また子ちゃんとか出してみてはどうでしょうか? (2017年11月30日 19時) (レス) id: 264bb20a3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ココン | 作成日時:2017年10月24日 21時