【派生作品】アングレカムは境界に咲く【天使様と悪魔様の恋愛事情】 (ページ8)

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約束.シェラページ8

白

白結局一度試着室に戻って右目を青色に戻した。カラコンが見つかったと報告して、また服屋を出た後も二人でしばらく歩くと、すっかり夜になっていた。

白今日はさんざんシェリーさんに連れ回された。でも、彼女と過ごす時間がこのやり場のないさみしさを埋めてくれる気がしてついてきてしまった。ショッピングなんて久しぶりにしたし、楽しかったのは事実だ。

白ひっかかるのは、どうしてシェリーさんは私にこんなに親しく接してくれるのか。そっと目をそらされてきた私の右目を受け入れてくれたせいか、彼女の存在は私の心の中で大きくなってしまったみたいだ。

「(まぁ、私の過去を知らないから、ただ人付き合いが苦手なだけだと思われていても仕方がないか)」

「ねぇ、シェラちゃん？」
夜の暗さを押しのけるような店々の灯り。気の早いイルミネーションにぼんやりと照らし出されるシェリーさんは、神妙な面持ちをしていた。
白彼女のころころとよく変わる表情はいつも私を楽しませてくれるものだったけれど、今その顔を通してなにかを覗いてしまったような気がした。

「一週間後の日も、ここで待ってるから──また会いましょう？」

吸い込まれそうな瞳だ。光の粒と私が映り込む紫色を見つめながら、ほとんど無意識に頷いてしまう。

「じゃあ約束ね！来週も会いましょう！」
次は何しようかしら、と楽しそうに変わるシェリーさんの声が耳に届いた。

白今まで人付き合いをしたひとたちとも、私とも全然違うタイプの人だけど、きっと仲良くなれる気がする。そんな予感に、心は喜色へと塗り替えられていった。

白些細な疑問もどうでもよくなった。別れ際はずっと前からの知り合いみたいな気持ちがして名残惜しかったけど、きっと来週も会えるなら平気だ。手を振る指先まで暖まっているような夜だった。

白