【派生作品】アングレカムは境界に咲く【天使様と悪魔様の恋愛事情】 (ページ4)

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気になる.シェラページ4

白夕日の中から出てきたようなその女性は、そのまま私に歩み寄ってきてたずねた。

「ハァーイ、私はシェリー！あなたは？」
「あ、シェラ、です……」

勢いよくかけられた声に思わずどもってしまう。フレンドリーな態度は好ましいものだけれど、見知らぬ人とのいきなりの会話はなかなかに刺激が強い。特に、さっきまで夕焼けを眺めて呆けていた私には。

「あら、名前似てるのね！可愛い名前……シェラちゃんって呼んでもいいかしら？」

ぐいぐいと迫ってくる距離感に少し当惑しつつも悪い気はしなくて、そうですね、いいですよ、なんて相槌を打ちながら口元には愛想笑い。

白どうしよう、この話長くなるかなぁ。この人は私と友達にでもなりたいのだろうか。まさかそんなこと。

「ねぇ、よかったら一緒にお茶でもしない？」
これは流石に帰りが遅くなりそうだ。そう考えて断ろうと口を開いた刹那にくぅ、と私のお腹が鳴った。そういえば天界を出てきた昼下がりから何も口にしていない。思わず口を開けたまま固まってしまう。知らない人の前でお腹を鳴らしちゃうなんて、と顔に熱が集まるのがわかった。

白恥ずかしさで真っ赤になった私の手を引いて、じゃあ決まりね、と彼女はすぐ近くのカフェを指差した。隙を見せてしまったような気がして少し悔しい。
白駄目押しのように目を合わせて微笑まれて、これはもどれないな、と感じて、どこに帰るも何もあるまいし、とそのぼんやりした考えを打ち消した。