【派生作品】アングレカムは境界に咲く【天使様と悪魔様の恋愛事情】 (ページ3)

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冬の夕暮れ.シェリーページ3

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今日は誰かを捕まえて寂しさを紛らわしたい。
そんな自己中心的なワガママで境界線に降りてきた。
なんせ悪魔達は人間独特のウブさを持ってないし、もっと可愛い反応を見たい。

｢…でもいなさそうね｣

夕暮れに染まる街は通行人こそいるもののどれもみんな無表情で“スマホ”という箱を見ている。

肩を出した露出度の高い服は冬の寒さを助長しているようだった。
ひゅうひゅうと北風が吹けばミニスカートもひらりひらりと揺れる。
こんな所に1人いても寂しいだけだ。

諦めて帰ろうとした時、サラサラとした、美しい髪が夕焼けに反射してキラキラと光る君がいた。
夕焼けは自分の後ろにいるはずなのに、彼女はやけに明るい夕焼けをバックに佇んでいるようだった。

｢ねぇっ、そこのあなた？｣

考える暇もなく、すぐに口に出してしまった。

今まで恋愛感情は男にしか抱いていなかったが、この時初めて本気の恋をしたのかもしれない。

サラサラと触り心地が良さそうな金髪をたなびかせて、こちらを見る晴天のような彼女の瞳。

…なんとなく朝焼けのような子だと思った。

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