【派生作品】アングレカムは境界に咲く【天使様と悪魔様の恋愛事情】 (ページ19)

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箱の中の猫. シェラページ19

白

「シェラちゃんっ！おはよう〜！」
シェリーさんはにこにこと手を振りながら待ち合わせ場所に現れ、私の手を握った。なんだかとても眩しい。見上げれば秋から冬に変わる季節特有のからりとした空があった。

「今日は植物園だったっけ？」

白今回の計画は私に任せてもらっていた。前回はにぎやかな場所で楽しんだから、次は静かなところがいいかと思い、植物園に決めてある。

「はい、ここから少し歩いたところです。屋台も出てるみたいですよ」
そう言って進む方向を指し示すと、
「もう！3回目のデートなんだし、もっと砕けない？無理はしなくてもいいけどね」
といたずらっぽくウィンクされた。

白デート、と改めて言葉にされるとやはり照れ臭い。確かに堅苦しい口調は仕事みたいになってしまってよろしくない。

白口元がよくわからない表情へと動くのをなんとか制御しながら、「わかりまし、──わかった、シェリーちゃん」と答えれば彼女からはとびきりの笑顔が返ってきた。

白彼女の正体が悪魔なら、これが最後の逢瀬になってしまう。せめてそれを確かめるまでは、目一杯楽しもう。

白