探偵達はカフェにいる【オリジナル】 (ページ18)

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レイモンは目玉焼きハンバーグがお好きページ18

　大人っぽい子が年相応な味覚を持つと、なぜか私は凄く安心できる。偏見でしかないが、大人っぽい子を見ると……どうも背伸びをしているように見えて仕方がないからだ。だからレイモンさんがメニューを真剣に眺めていると、何を注文をするのかソワソワしてしまう。彼の好きな飲み物は子供っぽいものだったけれど、果たして食べ物はどうなのだろうか。

「Aさん、注文良いですか」
「どうぞ」
「目玉焼きハンバーグ、ください。あとはオレンジジュースもください」

　いつも無表情なレイモンさんだが、今日は心なしかワクワクしているように見える。良かった……味覚もちゃんと子供のものだ。
　さて！待たせちゃ悪いし早速ご所望のハンバーグを作り始めますか！！

　ハンバーグの作り方は、前の話でやった通り。そういえば前に本で読んだんだけれど、ハンバーグを作る時に、ミンチ肉に塩を加えてから肉をこねると歯ごたえが良くなって、お肉をこねた後で味付けの塩を入れると、肉の粘着力が出ずにやわらかい口当たりになるんだってさ。
　まあ、そんな知識を入れたのは良いけど、私は自分のやり方を崩さないけどね。私の作るハンバーグは先にも後にも塩を入れちゃうんだよ、フハハハハハ！！！

　そういえば、初めて作ったハンバーグは、トマト煮込みのハンバーグだったなあ。最近は大根おろしの山にポン酢をかけたおろしハンバーグばかりを作っているけれど。サッパリ食べられるからついつい作っちゃうんだよね。

　ハンバーグを焼いている横で、目玉焼きを作ろう。まだサラリーマンだった時代、朝食に目玉焼きのせトーストを作っていたことを思い出すなあ。半熟の黄身が好きだけれど、ドロドロの白身がめちゃくちゃ嫌いだから、休日に白身を固くして黄身を半熟にする為に試行錯誤をしたもんだ。

　ハンバーグが焼けたから取り出して、肉汁が残るフライパンに赤ワイン、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖、バターをドーン！！と加えて、ドーン！！と煮詰める。これでお手製デミグラスソースが完成！うーん美味しそう！！

　あとはデミグラスソースをハンバーグにかけて、目玉焼きをのせる。前に作っておいた自家製オレンジジュースをグラスに注いで……よし、できた！！

「お待たせしました、目玉焼きハンバーグです」
「ありがとうございます」

　丁寧にお辞儀をしたレイモンさんは、大きめのナイフとフォークを使ってハンバーグを一口食べた。相変わらずの無表情だが、私の目には微かに口角が上がっているようにも見えて、自分の心が満足するのを感じたのだった。