7話 観客席の男 ページ9
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「……！」
自陣へ下がっていく東雲の揺れる青い髪が、目に、頭に焼きついた。
思わずぐっと拳を握る。
ざわめき立つ観客席に、その男はいた。
キックオフのその瞬間、唯一彼女の視線に注目していた男。
シュートコースを予測し、しかしそれが外れたことに驚いた男。
そして、彼女がこのシュートを決めるために万全の準備を──視線のフェイントすらも交えていたことに、唯一気がついた男。
「東雲、か……」
黒い双眸を爛々と輝かせ、彼はニッと笑った。
「いいシュートだ……！」
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「まだ試合は始まったばかりだ！ 気を落とすな！！」
「「おう！」」
いきなりの失点こそ痛かったが、まだ自分たちの戦いもしていないままのシュートだった分切り替えも早かった。
小僧丸のキックオフで試合再開。稲森が上がっていく。
「気をつけろ！！ 白鷺の失点数はこれまでにたった二点だ！！」
小僧丸が叫んだ。
白鷺の失点は、本戦トーナメント一試合目大海原中に一点、二試合目、浪花女子中に一点の合計二点。
FWである東雲一人の力だけに頼ったチームではない。
「ねえ、ちょっと」
稲森の前にDFの少女が現れる。焦茶色のツインテールと緑色の吊り目、黒縁の眼鏡をかけていた。
空気から溶け出すように現れて、稲森の目を見開かせる。
「私のボールに、触れないでくれる？」
ゾッとするような冷たい瞳で迫ってきた。
その迫真の様子に思わず怯える。
「ひぃッ！」
対峙したらやばい。
そんな本能から、彼はなんとか彼女を避けた。抜き切れてホッとする。
──のには、少し早すぎた。
「たあっ！」
気の緩んだ稲森の一瞬の隙をついて、小さな影が稲森の脇をすり抜けた。
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杳覇(プロフ) - パティあすさん» わ〜いありがとう💓 読んでいただけて至福の極み……！！ 更新停止していた作品とかも少しずつ動かしていきます👍 長い間応援ありがとう！！ (2022年1月13日 20時) (
レス) id: 72dc0f7804 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» ありがとう〜！！ 小生意気で自信家で上から目線、そんなところは両親が優しく姉が生きてて甘やかしてくれたからこそ生まれたものなので、可愛いって言ってもらえてマジで飛び跳ねそうありがとね…！！ ふふ、二人の行く末はしろくろにお任せします☺️ (2022年1月13日 20時) (レス) id: 72dc0f7804 (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - 完結おめでとう🎉 東雲ちゃんをまた見れて良かったです！素敵な作品をありがとうございました！長い間お疲れ様です。これからも他の作品で楽しませてもらおうと思います！無理せず頑張ってね！ (2022年1月13日 19時) (レス) @page45 id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - 完結！！おめでとうございますー！！！雷門に入らなかった事によりどこか高嶺の花感のある東雲ちゃんも可愛かったです！こっちの二人もいつか結ばれるといいなぁ (2022年1月13日 19時) (レス) @page45 id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 星熊さん» ありがとう……！！ 少しの間ですがまたお付き合いくださいm(_ _)m！ 更新頑張るねー！！ (2021年9月8日 19時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年9月7日 11時
