運命210＃ 心配？ ページ42
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「つっ……」
ベッドに入ろうとした途端、Aはベッドに擦れた擦り傷に顔を歪めた。
「傷、痛むのか？」
「ん……まあな。けど明日にはそこそこ治ってると思うぜ。闘牛と戦ってた時のほうがもっと怪我してたしな」
「……そうか」
小さな変化だったが、鬼道の声色がいつもと違っていることに気づいて、Aは布団の中から鬼道を見上げた。
「んだよ、有人。落ち込んでんのか？」
「そんなんじゃない」
「じゃ、あたしが怪我したからって心配してんの？」
「……」
そんな危険のある練習なんかやめろ、とは言えなかった。自分が彼女に強いてきたものは、もっと過酷だったから。
そもそもその時は彼女のタフさと治りの速さを見込んだこともあるが、何より急を要したためだ。初心者同然の彼女を一刻も早く戦力にするにはあれしかなかった。
今回は違う。Aがサッカーを好きになったのなら、じっくり時間をかけて強くなればいい。中学生活は三年間あるのだ。
黙り込む鬼道を見てAはニマッと頬を上げた。あの有人があたしのこと心配してる。
「杏奈にも言ったけど、止めたって無駄だぜ。あたしは次の試合までに、この技を完成させんだから」
「……何をそんなに急いでいるんだ。お前には来年も再来年もあるだろう？」
「な、そ、それは……」
途端に口ごもった。鬼道とちょっとでも長くサッカーしてたいから、なんて口が裂けても言えない。
「……べ、別にいいだろっ、何でも！ もう寝る！」
「……おやすみ」
「ん。……おやすみ」
.
「では、明日の試合のスタメンを発表する。FW、豪炎寺、染岡……」
Aと宇都宮はごくんと固唾を飲み込んだ。心臓がばくばくと鳴っている。
この数日、ボロボロになりながら特訓を重ねた。技は結局、一度だけ成功の兆しを見せたが、その一回きりで、技の進捗を聞かれた時には苦い顔をするしか無かった。
そのため不安だ。響木が二人の様子をまだまだ青いと捉えたか、明日の試合中までに爆発できると捉えたか、定かではない。
「──虎丸」
「へっ？ はい！ ……え？」
反射的に返事をしてから、自分の名前が呼ばれたことに気付いた。
思わず歓喜の雄叫びをあげそうになったが、くいっと誰かに引っ張られる。
彼女を見れば、ギュッと目を瞑って、宇都宮の服の裾を握りしめていた。そうだ。彼女が選ばれなければ、あの技は……。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう！！！ ああああ感動してくれた！？ うっ、嬉しい……！！ 頑張ります！ ありがとね！！ (2021年8月13日 11時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» しろくろありがとうーー！！ ひえ嬉しいです\(//Д//)/ 毎秒更新ww できるだけいっぱい頑張ります！！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 続編！！！待ってました！！！前章の最後の蓮水ちゃんとユリカちゃんのところでうわあああああ(語彙力)ってなりましためっちゃ面白い。更新頑張ってね！応援してます！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 2aa92eadb7 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - ああああ続編ッ！おめでとう(=´∀｀) 出だしから最高です！！ 無茶しない程度で毎秒更新()頑張ってください！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» さすあお！！ ありがとう！！ そうですね、イチャイチャさせますよとことん(( むしろここからもまだ本番感もあるというか、れんの成長に関わる部分になってくるので、気長にお付き合い頂ければなと思います！！ がんばるねー！！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年8月13日 10時
