運命207＃ 悔しくねぇの？ ページ39
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「A、まだ不貞腐れてるの？」
やけに静かに走っているチームメイトの横顔に話しかける。
「仕方ないよ、まだ一年生なんだし。それに、俺達は後半からとか途中出場とか、先輩たちを差し置いて試合に出させて貰ってるじゃない」
「まあ……そうなんだけどさ」
「切り替えよう。俺達には来年がある。ベンチからでも学べることはたくさんあるよ」
切れてきた息。話しながら走っていたから尚更だ。
宇都宮は言葉を切り、呼吸を整えた。
二人の間に僅かな沈黙。破ったのはAだった。
「知ってんよ」
「え？」
「ベンチにいて、色々勉強できるのは知ってる。けど、有人たちは三年だ。もうすぐ部活も引退だし、卒業しちまったら、二度と同じメンツでサッカーはできねえかもしれねえ……」
「！」
Aのはちみつ色の瞳が真剣にこちらを射抜く。
「フルで六十分間、できるだけ長い間、あいつらと同じフィールドに立っていてえって思っちゃダメなのか？」
「……」
宇都宮は思わず息を飲んだ。
最初に会った時の彼女はサッカーに興味なんか無く、あったとすれば鬼道に一矢報いたいという野望だけだった。
ドリブル、パス、トラップ、シュート……基本の動きが何一つ形になっていなかったA。あの日の彼女はもういない。
「……なぁ虎丸。悔しくねぇの？」
Aに続いて足を止める。同級生や先輩達が、不思議そうな顔をして二人を追い抜いて行った。
ふっ、ふっ、と二人の息が重なって聞こえる。
「……出たいさ。俺だって、もっと試合に出たい。憧れの豪炎寺さんたちと、強敵相手に戦いたい！」
ニッ。Aが微笑んだ。
「センパイたちに、一泡吹かせてやろうぜ。あたしたちで、新必殺技を作るんだ！」
「……！」
「A！ 虎丸！」
宇都宮が目を見開いた途端、鬼道の怒号がグラウンド中央から響いてきて二人して肩を竦ませた。
「足が止まっているぞ！ もう一周追加だ！」
「げっ」
「わあっ、す、すみません！」
眉根を寄せているAの手を引いて慌てて駆け出す。
お、おい！ とつんのめりながら走る彼女に向かって言った。
「乗った。俺も、遠慮なんかしてられない！」
「！ ……へへっ、そうこなくっちゃな！」
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» 初見朧ありがとう！！！ ああああ感動してくれた！？ うっ、嬉しい……！！ 頑張ります！ ありがとね！！ (2021年8月13日 11時) (
レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 白目黒口さん» しろくろありがとうーー！！ ひえ嬉しいです\(//Д//)/ 毎秒更新ww できるだけいっぱい頑張ります！！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 1cd5a8a31d (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 続編！！！待ってました！！！前章の最後の蓮水ちゃんとユリカちゃんのところでうわあああああ(語彙力)ってなりましためっちゃ面白い。更新頑張ってね！応援してます！ (2021年8月13日 11時) (レス) id: 2aa92eadb7 (このIDを非表示/違反報告)
白目黒口(プロフ) - ああああ続編ッ！おめでとう(=´∀｀) 出だしから最高です！！ 無茶しない程度で毎秒更新()頑張ってください！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: c29c1a0e83 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» さすあお！！ ありがとう！！ そうですね、イチャイチャさせますよとことん(( むしろここからもまだ本番感もあるというか、れんの成長に関わる部分になってくるので、気長にお付き合い頂ければなと思います！！ がんばるねー！！ (2021年8月13日 10時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年8月13日 10時
