101話 巡り愛 ページ22
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「辛いとき、一人にしてごめんな」
『一人なんかじゃなかったよ。お日さま園のみんながいたし……守も、ずっとそばにいる気がしてた』
ソファに座る守に寄り掛かりながら答える。
腕を絡めて、出来る限り密着して、離れていた時間を埋めるように甘えた。
守と手を繋ぐのが好きだ。
指先から溶けていくような、優しい融解が好きだ。
『雷門には行った……？』
「いや、明日行ってくる。ただ、神童には会いに行った」
『！ 怪我だってね、どうなの？』
「……緊急手術をしたらしい。残念だが、次の試合には……」
『そっ、か……決勝戦に出られないのか……』
あんなに頑張っていた拓人が、こんなところで怪我。
明日、僕もお見舞いに行こう。
だけど心配なのは、決勝前のチームの士気。
『……新しい、キャプテンって……』
「それも神童と話した。……天馬にしたい」
『！』
一年生の天馬が、決勝前に急遽キャプテンに。
大きなプレッシャーだろう。
だけど、彼を選んだ拓人や守の気持ちは分かる。
『……そうだね。いいと思う。きっと、雷門も支えてくれる』
「ああ……」
沈黙が訪れた。けれど、嫌じゃない。
守との沈黙は温かく、僕の心を満たしてくれる。
それもすぐ、守の声に破られたんだけど。
「えっと……如月さんのこと」
『電話で話した通りだよ。今日も一緒にカフェで話してきた。今度は本当に大丈夫そう』
「そっか……良かった」
『また挨拶に行こうね。行ってくれるだろ？』
「当たり前だろ！」
やっぱりな。杞憂だよ、秋江さん。
心の中で呟いて、守に抱きついた。
『ねえ、守……色んなことがあったね』
「……ああ……」
守と出会って、十年。
語り始めたら一晩では足りないほど、色んなことがあった。
僕らは何度も離れ離れになって、その度に泣いて、怒ったりもした。
それでも、また引き寄せられ、同じ数だけ出逢ってきたね。
『守……好きだよ。愛してる』
「俺だって、Aのこと愛してる。もっともっと愛してる」
『えー、僕のほうが愛してるっ』
「いーや、絶対俺のほうが──」
チュッと唇を塞いで、すぐに離れた。
黙ってしまった守に、フッと微笑んでみせる。
『勝負してみる？ どっちのほうが愛してるか』
「……久しぶりだから、優しく出来ないかも知れないぞ？」
『いいもん。守はどうせ優しいんだから』
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杳覇(プロフ) - 海道凛さん» あああああ鶯様でしたか！！ お久しぶりです〜！ 世界編最終章では暖かいお言葉本当にありがとうございましたm(_ _)m 憧れ…！ 自分には勿体ないお言葉です、ありがとうございます…！！ 応援嬉しいです！！ 実はてんみこも色々考えているのでお楽しみに…！ (2021年6月6日 23時) (
レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
海道凛(プロフ) - 杳覇さん» もったいないお言葉ありがとうございます。先程は長文失礼いたしました。以前は鶯としてコメントさせていただいたのですが、完結から２ヶ月ほどして漸く自分の言葉で表せたので、感想を送らせていただきました。杳覇様は当時から私の憧れです。陰ながら応援しています。 (2021年6月6日 23時) (レス) id: 63a783c275 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 海道凛さん» ぎゃああああマジですか！！ え、めっちゃ前からの読者様じゃないですかええええありがとうございます恐縮ですそんな素敵なお言葉を…！！ 他の作品まで！？ えええめっちゃ嬉しいですありがとうございます(´；ω；｀) (2021年6月6日 23時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
海道凛(プロフ) - まさか大人になった東雲ちゃんが読めるとは思ってもいなかったので、「大人になった天空の巫女」の通知で飛び上がりました。貴方様の作品が、東雲ちゃんが、とても好きでした。他の作品も面白いものばかりで、楽しんでいます。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年6月6日 22時) (レス) id: 63a783c275 (このIDを非表示/違反報告)
海道凛(プロフ) - はじめまして、とても時期外れではありますが、完結おめでとうございます。杳覇様がソラノ様だった頃に天空の巫女を知り、以来こっそりと拝読していました。少しずつ表紙絵が増えたり、更新通知が来るたびにいつも楽しみにさせていただいていました。 (2021年6月6日 22時) (レス) id: 63a783c275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時：2021年1月30日 14時
