14話 夫婦 ページ22
どれくらいの時間が経ったのか、分からない。
それくらいの間キスしてた。会えなかった数ヶ月を埋めるように。
守がようやく口を離した頃には、僕はもうトロトロにとろけていた。
僕と守の間に引かれる銀色の糸。守はそれを愛おしむように舐めとって、僕を見下ろす。
……けど僕は、久しぶりで耐性がなく、真っ赤な顔を隠すようにして両腕で顔を覆っていた。
『……』
「……へへっ」
『わあっ！ ちょ、やっ……』
その腕を剥ぎ取られ、キスしたばかりの守と至近距離で見つめ合った。
守はフッと微笑み、顔を耳元に寄せる。
「……好きだ、A」
『……僕も、大好き』
その温もりに安心して眠ってしまい、守にベッドまで運んでもらうまで。
僕は守と、長い間抱擁を交わしていた。
翌朝、5時。
目覚ましを止めれば、隣にいた守が「ん……」と寝返りを打つ。
守は教師ではない。なら、ゆっくり寝かせても問題ないだろう。
起こさないようにベッドから降り、洗面台で顔を洗ってジャージに着替える。
今から朝のランニング。トレーニングは一日でも欠かせば、取り返すのに三日かかるって言うし。
ストレッチをしていると、突然後ろから声がかかった。
「ん〜。おはよ、A」
『！ おはよう、守』
「どこ行くんだ？」
『ランニングだけど、寝てていいよ。まだ朝早いし、長旅で疲れてたでしょう』
そうは言ったものの、トレーニングと聞いて動かない方がおかしい主人なので。
守はすぐにパッと目を輝かせた。
眠そうだった顔がしゃっきり起きて、満面の笑みになっている。
「俺も俺も！ 待っててくれ！」
『はっ、はっ、はっ』
「はぁっ、はぁっ……ふー、気持ちよかったな！」
『ああ！』
10キロくらいかな。三十分で走り切り、僕たちは家に戻ってきた。
途中、いつもの朝の犬の散歩に来ているおじさんに「今日はご主人も一緒かい」と冷やかされながら。
いつもの道でも、守と話しながら走ると楽しい。まるで別の世界のようだった。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» いやいやこちらこそ！書いてくれてほんっとうにありがとおおおおおおおおう！！！(大丈夫、私も初見朧のイラストもらった時ニヤニヤが止まらんかった) テスト終わった！(双方の意味で)滅びればいいのに！！！ テストがんばってねー！！ (2020年10月9日 19時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 紹介してくれてありがとう！いや〜、いざこうやって書かれるととても嬉しい(クッソにやにやしてます)(気持ち悪い)ああああ私もテストが近い！嫌だ！滅びればいいのに！((お互い頑張ろー！ (2020年9月15日 20時) (レス) id: 539b906aee (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライス(＾ω＾)さん» 嬉しかった！！ありがとう！ありがとう！！ここまで続けて来られたのはオムちゃんのおかげです！！ ぎゃーいいの！？いいの！！？めっちゃ楽しみにしてます……！！(こちらこそ長文失礼しました！) (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムちゃあああああんありがふううううう！！ええええ全然無理しないで！？そりゃ来たらめちゃくちゃ嬉しいけどぜひぜひ部活の方をご優先して…！！ そ、そうなのか…！そんなすごいタイミングで読んでもらえて嬉しいです……！！私も、いっぱい描いてもらえて本当に (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(＾ω＾)(プロフ) - （まだ続くよごめんね）くらちゃんと出会うきっかけになった天空の巫女三周年！本当におめでたい！遅刻という形になっちゃうけどまたイラスト描いたら送らせてもらうね！！改めて三周年&東雲ちゃんおたおめ！！（長文失礼しました！！） (2020年9月8日 23時) (レス) id: ee2c875216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作成日時：2020年7月25日 21時
